○パリ、Café des Lilas・店内(夜)
金色の電球、満席の店内、どのテーブルにも花。THÉO(20代、黒い巻き毛、オリーブ色のジャケット)が小さな大理石のテーブルに身を乗り出す。NADIA(20代、白いヘッドスカーフ、花柄のワンピース)は頬杖をついている。聞いている。納得はしていない。
彼女の指がグラスの水をゆっくり四分の一回す。彼の手は、彼女の手に届く途中で止まる。
THÉO
「電車、七時なんだ」
彼はテーブルに目を落とす。目を合わせたまま、続きは言えない。
NADIA
「じゃあ、もう寝たほうがいいね」
どちらも動かない。二人の顔は、テーブルの幅よりも近い。視線が、一拍だけ長く続く。
ランプの下、彼は折りたたんだメモを彼女の指先の下に滑り込ませる。彼女は手を引かない。
(カット)






























