○崩れた丘陵(正午)
色の抜けた空。かつて高速道路が走っていた、石と砂ぼこりの谷。風。そして何もない。
はるか下、砂ぼこりの粒がひとつ、風に逆らって動く。走っている。
地面の高さ。焼けた岩に足が降りる。背後には白い太陽。もう一歩。
犬。傷だらけの軍用プレートに包まれた、痩せた黒い犬。錆びた赤、砂が詰まっている。
肩には白い円盤。生きている誰にも読めない記号。誰かの部隊。誰かの国。
こちらの3メートル手前で止まる。唇がめくれる。息切れか、警告か。
NELL(声)
(喉まで砂ぼこりで)
水筒に半分。先に飲んで。
風がやむ。どちらも動かない。
(カット)

































