モーションブラー目に見える速度

モーションブラーとは、シャッターが開いている間に被写体が動くことで画面に残る残像のことだ。意図して使えば、観客に速さの実感を伝えられるし、静止した人物を、疾走する世界の中で際立たせることもできる。

別名モーションスミアシャッターブラースローシャッター表現

デモクリップ、4秒。このページのプロンプトからGrok Imagineでレンダリング。

時間とモーション

スクリーン上で効く理由

速度、混乱、孤立が感情の核心にあるときに使う技法だ。強いブラーは格闘シーンを目で追えないほど速く見せ、都市を熱に浮かされたように見せ、カーチェイスを危険に感じさせる。逆に、流れる群衆の中で一人だけシャープに静止している人物を見せれば、孤独、衝撃、あるいは嵐の中心にある静けさを表現できる。方向感覚の喪失、緊迫感、夢の状態、置いていかれる感覚にも効く。観客が動きを分析するのではなく感じるべき場面でこそ、この技法は力を発揮する。逆に重要な証拠や精密なスタントのように明瞭さが求められる場面では、ブラーをかけすぎると逆効果になる。

ショットリストの一行

サイズ
ワイドショット、あるいは静止した被写体へのミディアムショット
アングル
アイレベル
movement
固定、動く要素だけが固定フレームの中でブレるように
レンズ
35mmから50mm、スローシャッターを可能にするNDフィルター
尺
4秒から8秒

シャッターを270度または360度に開ける、あるいはロングエクスポージャー風にさらに遅くし、静止する役者には完全に動かないよう指示する。

脚本

脚本上での書き方

モーションブラーはカメラの設定であり、脚本用語として書くものではない。代わりに、キャラクターが何を感じているかを書く。群衆が色の帯に溶けていく、車の光が筋を引いて流れる、彼女だけがそこに固定されている、というように。それが監督と撮影監督にとって目指すべき感覚の指標になる。シャッター角、フレームレート、ブラーをカメラ内で作るか編集で加えるかは、シューティングリストやカメラメモに記す領域だ。

外景 大阪、渋谷風のスクランブル交差点 - 夜

信号が変わり、何百人もの人々が一斉に渡り始める。

その中心で、モリヤマ・ケンジ(70代、少しサイズの大きいスーツ、みかんの入った紙袋)が足を止める。

群衆はコートや傘、ヘッドライトの筋となって彼の周りを流れていく。

彼は動かない。亡き妻の顔が映る看板を見つめている。

タクシーのクラクションが、長く、遠くから響く。

絵コンテ

絵コンテでの見せ方

静止する被写体はくっきりとした線で描き、動くものはすべて長い水平の帯や、速度線を伴う残像として描く。シャープな部分とブレる部分で異なるトーンを使い、一目でコントラストが分かるようにする。動く要素の方向を示す矢印を加え、パネルの下にシャッター設定(360度シャッターや1/4秒露光など)を書き込む。カメラ自体が動く場合は、背景にブラーを描き、パン速度をメモしておく。

組み合わせると効く技法

ハンドヘルドカメラ
ハンドヘルドカメラ

ハンドヘルドと開いたシャッターを組み合わせると、速い動きの間、フレーム全体がブレて格闘や混乱を肉体的に感じさせる。その次に来る静止した瞬間が、突然の明瞭さとして際立つ。

クローズアップ
クローズアップ

残像だらけのワイドショットの後に、静止したキャラクターのシャープなクロースアップを入れると、観客はそこに視線を置く場所を得て、周囲の世界がなぜ非現実に見えるのかを理解する。

参考作品

この技法が使われている作品

  • ボーン・スプレマシー (2004)

    速いハンドヘルドの切り返しが、格闘中の拳や壁や顔をブラーにし、観客は一発一発を追うより暴力そのものを感じることになる。

  • 恋する惑星 (1994)

    遅いシャッターとステップフレームが通行人や車の流れを色の帯に伸ばし、都市に落ち着かない、熱を帯びたエネルギーを与えている。

ScreenWeaver

ScreenWeaverで設定する

脚本に静止と疾走の対比を書けば、ScreenWeaverが自動的にシーンをショットに分割する。キーショットを開き、アイレベルのワイドフレーミングと固定の動きを設定すれば、動くものすべてが固定フレームの中でブレる。長さは4秒から8秒に設定する。キャラクターとロケーションは周囲のショットから引き継がれるので、静止した人物は認識可能なままだ。AIプレビジュアライゼーションで構図を確認し、カメラチームのためにシャッター設定をメモしておく。

無料で書き始める

このクリップのプロンプト

これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。

Motion blur. At night, a long exposure look on a busy city crossing: cars and buses pass as smooth streaks of light and color, pedestrians become ghostly blurred trails, while one woman stands perfectly still and sharp in the middle of the crowd. Static camera, slow shutter, cinematic. No text.

よくある間違い

  1. 01

    ブラーをかける対象を間違える

    観客が読み取るべきキャラクターがブレてしまうと、ショットは視線の起点を失う。何をシャープに残し、何をブラーにするかを先に決め、その上でカメラ設定と役者の動きを組み立てる。

  2. 02

    スローシャッターの露出過多

    シャッターを遅くすると光の取り込み量が増える。NDフィルターや絞りの調整をしないと画が白飛びする。特に日中の撮影では、ブラーと同時に露出も計画すること。

  3. 03

    意図せず表現を混在させる

    同じシーンの中でブラーのかかったショットとシャープなショットを理由なく切り返すと、ミスに見えてしまう。物語上の転換点でない限り、シャッターは一定に保つこと。

脚本家からよくある質問

脚本にモーションブラーをどう書けばいいですか?
設定ではなく、感じ方を描写する。群衆が残像に溶けていく、ヘッドライトが筋を引く、一人だけが完全にクリアに見える、というように。重要な場面では1、2行に留める。監督と撮影監督がその感覚をシャッター速度やフレームレートに翻訳してくれる。
最もブラーが強くなるシャッター角はどれですか?
180度シャッターが標準的な見え方だ。270度や360度に開けるとブラーが増える。ロングエクスポージャー風の残像を作るには、通常のフレームレートより遅い露光が必要で、ステップ・プリンティングや特殊な撮影モードを使うか、編集でブラーを加える。
モーションブラーは編集で加えられますか?
できる。多くの合成・編集ソフトは動き解析を元にブラーを加えられる。ショットの修正やCG要素の処理に有効だ。ただしカメラ内で作るブラーの方が自然に見えることが多いので、表現の核心となる場面では現場で計画しておくべきだ。
群衆がブレる中で人物だけをシャープに保つには?
固定カメラ、スローシャッター、そして完全に静止できる役者を使う。動くものはすべて残像になり、静止する人物だけがシャープに残る。ロングエクスポージャーの場合、役者と群衆を別撮りして合成する制作もある。