ホワイップパン視線を一気に切り替える
ホワイップパンはカメラを横に猛スピードで振り、映像が流れて縞状にブレたところで、新しい被写体にピタッと止まる技法だ。観客は音に振り向いたときのような速さの衝撃を感じる。
別名スウィッシュパンフリックパンジップパン
カメラワーク
スクリーン上で効く理由
落ち着きより勢いとつながりが大事な場面で使う。シーン内では、質問とその答え、ジョークとそれを聞いた人の顔、脅しとその相手を、カットの間を置かずに結びつける。シーンとシーンの間では、編集点を隠しながら場所や時間をブレの中で一気に運ぶこともできる。コメディのタイミング、アクションのビート、口論、速いモンタージュに向く。すでにテンポが速く、カメラの動きが目立つ作りの映画なら、この技法が馴染む。逆に静かなシーンに放り込むと、つまずいたように見える。
ショットリストの一行
- サイズ
- 両端ともミディアムショットかクローズアップ
- アングル
- アイレベル
- movement
- 左右への非常に速いパン、被写体間はブレる
- レンズ
- 35mmから50mmの単焦点
- 尺
- 振り自体は0.5秒未満、ショット全体で2から5秒
シャッター角度を開けるか、標準の180度のまま保ち、振りがきれいにブレるようにする。終わりのフレームでオーバーシュートせずぴたりと止める。
脚本
脚本上での書き方
持ち込み用の脚本ではホワイップパンという言葉自体は書かない。リズムでその瞬間を暗示できる。セリフの一行の直後に、別の場所での即座の反応を一行だけ独立させて書く、あるいは急な音で誰かが振り向く、といった具合だ。シーン間の転換として使うなら、まれに「WHIP PAN TO:」と書くこともできるが、多くの読み手は普通のカットを好む。詳細はショットリストに残し、始点の被写体、終点の被写体、振る方向を明記する。
INT. 近所のミロンガ、サンテルモ、ブエノスアイレス - 夜
バンドネオンが息を切らすように鳴る。タイルが半分剥げたミラーボールの下でカップルたちが回る。
フロアで、VALERIA SOSA(40代、赤い靴)が踊りの途中で足を止める。
VALERIA
あの子に話したのね。
部屋の向こう、バーで、OMAR BRITOS(60代、鉛筆ひげ)がワインにむせる。
バンドは演奏を続ける。
絵コンテ
絵コンテでの見せ方
始点のフレームと終点のフレームを並べて描く。その間に太い水平の速度線を、流れたような線として描き、振る方向を示す矢印にWHIP PANと書き添える。各端の被写体と、動きのきっかけとなるセリフや音を書き込む。ホワイップパンが二つのシーンの間のカットを隠す場合は、速度線の上にCUT INSIDE BLURと記す。
参考作品
この技法が使われている作品
キル・ビル Vol.1 (2003)
タランティーノは70年代のカンフー映画へのオマージュとして、対戦相手の間でカメラを素早く振り、格闘に荒々しく叩きつけるようなリズムを与える。
ショーン・オブ・ザ・デッド (2004)
エドガー・ライトは日常の家事や場所の間で素早くカメラを振るモンタージュを重ね、歯磨きやドアを開ける動作が視覚的なギャグになる。
ScreenWeaver
ScreenWeaverで設定する
脚本にテンポの速いやり取りを書けば、ScreenWeaverが自動でシーンをショットに分解する。ショットを開き、最初の被写体でフレーミングを設定し、動きにホワイップパンを選び、尺を短く保つ。キャラクターと場所はショットからショットへ引き継がれるので、振った先に映る人物も外見や部屋での位置がそのまま保たれる。AIプレビジュアライゼーションで前後のショットと合わせて再生し、瞬間のタイミングを確認する。
無料で書き始めるこのクリップのプロンプト
これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。
Whip pan across a rainforest river at midday. The camera starts locked on a weathered wooden canoe drifting near the near bank, holds steady and sharp for half a second, then snaps horizontally to the right in a fast blur, streaking the green canopy and brown water into motion lines, and lands sharply on a barefoot guide standing on a moss covered rock pointing downstream. The whip takes under half a second, the frame is crisp before and after the blur, water keeps flowing at normal speed, no camera shake once it settles. No text.
よくある間違い
- 01
終点フレームのオーバーシュート
被写体を通り過ぎてから戻ってくるホワイップパンは切れ味を失う。終わりの位置を頭で決めておき、カメラマンがぴたりと止まれるまでリハーサルする。
- 02
ブレが足りない
振りが十分速くないと、映像は滑らかに流れずガクガクして、失敗のように見える。しっかりとした速さでやり切るか、いっそ普通のパンに落ち着かせる。
- 03
理由のないスタイル
静かで感情的なシーンでのホワイップパンはムードを壊す。すでにトーンに勢いやユーモアがある場面、または意図的に転換を隠したい場面で使う。





