ミディアムショット身体表現と表情を同時に

ミディアムショットは腰から上を収めるフレームサイズだ。観客は表情と手の動き、姿勢を同時に見る。テーブルを挟んで人と向き合うときの距離感に近い。

別名ミドルショットMSバストショット

デモクリップ、4秒。このページのプロンプトからSeedance 2.0 Miniでレンダリング。

ショットサイズ

スクリーン上で効く理由

映画で最も自然な距離感と言っていい。表情が読めるほど近く、手の動きや前のめりになる仕草、肩をすくめる様子、そっぽを向く動きまで見えるほど引いている。会話、コメディ、仕事、儀式めいた所作、動きのある人間関係、そのすべてに向く画だ。コメディがここで生きるのは、間の芸が身体で作られるからだ。日常のドラマもそうで、男が剃刀を置く仕草だけで台詞以上のことを語る。動作と感情がフレームの中で同居するとき、台詞を交わしながら身体の使い方も見せたいとき、そして瞬間を押し付けずにとどめておきたいとき、この画が要る。

ショットリストの一行

サイズ
ミディアムショット
アングル
アイレベル
movement
固定、または緩やかなドリフト
レンズ
35mmから50mm
尺
5秒から15秒

腰の位置でフレームを切り、動作を担う手は必ずフレーム内に収める。各キャラクターの正面には見る余地(ルッキングルーム)を残す。

脚本

脚本上での書き方

ミディアムショットは演出上の判断であり、香盤や決定稿以前の脚本(スペック)には書き込まない。書き手はト書きに身体の動きを書くことでこれを示唆する。トーストにバターを塗る、洗濯物をたたむ、話しながら髪を切る、そうした具体的な仕草だ。こうしたディテールが、監督に手と表情を同じフレームに収める根拠を与える。台詞のリズムを壊さないよう簡潔に書くこと。画のサイズそのものはショットリストで指定する。

INT. フレッシュカッツ理髪店 - アトランタ - 土曜日

バリカンの音が響く。無音のテレビでは試合中継。

マーカス・ベル(58)が客の襟足を真剣な顔で整えている。

椅子に座るのは息子デヴォン(27)、鏡越しに父を見つめている。

DEVON

デンバーの仕事、決まったよ。

マーカスがバリカンを止める。置く。代わりに剃刀を手に取る。

MARCUS

じっとしてろ。

絵コンテ

絵コンテでの見せ方

キャラクターを腰から上で描き、手や小道具のためのスペースを空ける。目の位置は上三分割線あたりに置く。二人が画面を共有する場合は、互いの位置関係と距離を示す。手を伸ばす、顔を向けるといった仕草には小さな矢印を添える。レンズ、アングル、そのショットが担う動作をメモしておく。

組み合わせると効く技法

ワイドショット
ワイドショット

ミディアムショットの前にワイドショットを置くと、場所とキャラクターの位置関係が先に示される。その後ミディアムショットで、観客は心地よい距離感のまま会話に入っていける。

ミディアムクローズショット
ミディアムクローズショット

ミディアムショットからミディアムクローズアップへ踏み込むと、会話が個人的な話題に移るにつれて画面が締まる。クローズアップほどの強度に一気に飛ばずに済む。

参考作品

この技法が使われている作品

  • パルプ・フィクション (1994)

    ダイナーや車内で交わされる会話の多くは腰の高さで撮られており、手の動きやだらしない姿勢がコメディを作っている。

  • ビフォア・サンライズ (1995)

    ウィーンを歩きながら交わす長い会話は、ほぼ上半身のフレームで撮られている。仕草とボディランゲージが、ゆっくり育つ親密さを支えている。

ScreenWeaver

ScreenWeaverで設定する

キャラクターの動作を台詞と並べてト書きに書けば、ScreenWeaverがシーンを自動でショットに分解する。ショットを開き、フレームサイズをミディアムショット、アングルをアイレベルに設定し、動きは固定か緩やかなものにとどめ、そのビートに合った尺を与える。キャラクター、小道具、ロケーションはショットをまたいで引き継がれるので、寄りのショットに切り替えても剃刀と椅子の位置は変わらない。AIプレビジュアライゼーションでシーン全体のバランスを確認する。

無料で書き始める

このクリップのプロンプト

これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。

Medium shot, waist-up framing, of a woman in her fifties leaning on a stone parapet on a Parisian rooftop at golden hour, wind gently moving her loose hair and coat. Camera is static at eye level, 50mm lens, moderate depth of field with the city rooftops and a distant Eiffel Tower silhouette softly blurred behind her. She turns her head slowly toward camera and rests her forearms on the ledge, hands loosely clasped. No text.

よくある間違い

  1. 01

    動作を切ってしまう

    キャラクターが手を使っているのに、フレームがそれを切り捨ててしまうと、観客はシーンの半分を見逃す。仕草が見え続けるようフレーミングを調整する。

  2. 02

    頭上の無駄な空間

    ヘッドルームを取りすぎると、キャラクターが小さく心もとなく見える。目の位置を上三分割線付近に置き、頭上の余白を減らす。

  3. 03

    シーン全体を同じサイズで通す

    長いシーンをミディアムショットだけで通すと単調に見える。ワイドと寄りを使い分けて感情の起伏を作る。シーンの始まりはワイド、途中でミディアムへ、どのビートで寄りの画を使うべきか、あらかじめ計画しておく。フレーミングが感情に寄り添うように組み立てる。

脚本家からよくある質問

脚本でミディアムショットはどう書けばいいか?
名指しでは書かない。キャラクターが話しながら手や身体をどう使うかを描写すれば、監督がその両方を収めるフレームサイズを選ぶ。カメラ用語はショットリストのためにとっておく。そこではミディアムショットやMSという表記が標準だ。
ミディアムショットとカウボーイショットの違いは?
ミディアムショットは腰でフレームを切る。カウボーイショットはもっと下、太腿の中ほどまで収め、ホルスターや腰に当てた手を見せる。カウボーイショットは対決的な緊張感を帯び、ミディアムショットは会話向きだ。対峙するシーンならより低く、雑談ならウエストの高さにとどめる。
ミディアムショットはコメディに向いているか?
向いている。コメディはしばしば身体的な間、一瞥、仕草、ぎこちない動きに依存する。ミディアムショットはそのすべてを一つのフレームに収め、編集なしで笑いを成立させる。オチでクローズアップに切り替えると、逆に笑いを殺してしまうこともある。身体が見えなくなるからだ。
ミディアムショットに二人を収められるか?
できる。その場合はミディアム・ツーショットと呼ばれる。カップルや相棒、ライバル同士に向いている。編集で切り替えずとも両者の反応が同時に見えるからだ。奥行きをわずかにずらして二人を配置し、互いが邪魔にならず、両方の表情がはっきり読めるようにする。