ミディアムクローズショット会話劇の主力ショット
ミディアムクローズショットは、胸の中ほどから頭のすぐ上までを収めるフレームだ。観客は表情をはっきり読み取りながら、姿勢や服装、部屋の気配も同時に見ることができる。
別名MCUバストショット胸から上のショット
ショットサイズ
スクリーン上で効く理由
ほとんどの会話を支えるのがこのショットだ。思考や感情を映すには十分近く、肩をすくめる仕草や襟元に触れる手、制服やバッジを見せるには十分広い。交渉、証言、静かな緊張感のある場面で活きる。クローズアップほどの強さを出さずに観客を惹きつけ続けられるので、監督はここぞという転換点のためにもっと寄ったフレームを温存できる。台詞が重要で、誰が話しているか、その人がどんな態度でいるかを見せたい場面には、必ずこのショットの出番がある。インタビュー、口論、告白、人が動くより話す場面すべてに向いている。
ショットリストの一行
- サイズ
- ミディアムクローズショット
- アングル
- アイレベル
- movement
- 固定、または決め台詞での軽いプッシュ
- レンズ
- 50mmから85mm
- 尺
- 台詞のビートの長さ
フレーム下端は胸の中ほどに置き、頭上に少し余白を残す。切り返しでアイラインを揃え、会話が破綻なく成立するようにする。
脚本
脚本上での書き方
ミディアムクローズショットはカバレッジの選択であって、脚本の執筆技法ではない。だからスペック脚本には書き込まない。監督の助けになるのは、明らかに表情と反応を軸にした台詞、そして胸の高さの小さな仕草を示すト書きだ。ストラップに触れる手、腕を組む動作、ペンを打ちつける指先。こうしたディテールがフレームを暗示する。MCUという言葉自体は、ショットリストで一行ずつ指定すればいい。
INT. チャンネル9ニュースルーム - マニラ - 夜
放送中。カメラ2の赤いランプが点いている。
キャスターのテレサ・デラクルス(41)がプロンプターを、落ち着いて温かみのある声で読み上げている。
イヤホンからプロデューサーの声がうわずる。彼女は笑顔を崩さない。手が襟元のマイクへと動き、指先で押さえる。
TERESA
マリキナで洪水の被害が報告されています。私たちのクルーの一人が現地に入っています。
絵コンテ
絵コンテでの見せ方
胸の中ほどから上を描き、顔をコマの上三分の一に配置する。手が胸の高さでフレームに入るなら描き込む。アイラインは相手に向けて矢印で示し、フレーム端に人物名を書く。会話シーンでは同じ大きさ、逆向きのアイラインで切り返しのコマを並べて描き、それぞれのコマがどの台詞に対応するか番号を振る。
組み合わせると効く技法

オーバーザショルダーで人物の関係性と距離感を示したあと、表情が重要になる台詞ではミディアムクローズショットに引き継ぐ。

ミディアムクローズショットからクローズアップへ、場面の決め台詞で切り替えると感情の転換が際立つ。サイズのわずかな変化が、この瞬間の特別さを観客に伝える。
参考作品
この技法が使われている作品
十二人の怒れる男 (1957)
狭い陪審員室で、ミディアムクローズショットが長い議論を通して各陪審員の顔を追い続け、議論を個人的で息苦しいものに感じさせる。
ソーシャル・ネットワーク (2010)
テンポの速い会話の大半が胸の高さで撮られ、スーツやオフィス、寮の様子を背景に残しながらも、表情の鮮明さと速度が保たれている。
ScreenWeaver
ScreenWeaverで設定する
台詞と小さな仕草を書けば、ScreenWeaverが自動でシーンをショットに分解する。それぞれの話者のショットを開き、フレームサイズをアイレベルのミディアムクローズショットに設定し、動きは固定か軽いプッシュにして、尺を台詞に合わせる。人物とロケーションはショットをまたいで引き継がれるので、会話の両側が同じ光と同じセットを共有する。AIプレビジュアライゼーションで会話のリズムを確認しよう。
無料で書き始めるこのクリップのプロンプト
これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。
Medium close-up of a middle-aged woman in a worn wool coat standing on a cracked platform inside an abandoned train station, framed from mid-chest up with an 85mm lens at f/2.8 keeping her face sharp while rusted signage and broken windows blur softly behind her. Dust drifts through a shaft of pale daylight. The camera holds steady with only a faint handheld breathing motion as she slowly turns her head toward an approaching sound off frame. No text.
よくある間違い
- 01
サイズの不一致
一方が胸の中ほどで、もう一方が鎖骨のあたりで切られていると、会話のバランスが崩れて見える。意図的な変化でない限り、切り返しは同じサイズを保つこと。
- 02
不自然な切断線
肘などの関節でフレームを切ると、偶然の失敗に見える。下端は関節と関節の間、胸の中ほどに置くと構図がきれいにまとまる。切り返し双方の下端も確認し、二人が同じ切り方になっているか見ること。
- 03
一度も寄らない
シーン全体をミディアムクローズショットのまま通すと、山場の台詞も他の台詞と変わらなく感じられてしまう。どこで寄るかを前もって計画すること。ショットリストでどの台詞にクローズアップを充てるか決め、残りはミディアムクローズショットのままにしておく。





