アナモルフィックレンズ物語の幅だけ広いフレーム

アナモルフィックレンズは横に広い画像をセンサーに圧縮して収め、それを2.39:1のワイドフレームに引き伸ばして戻す。楕円形のボケと横に長く伸びるフレアが特徴だ。観客は大きなスクリーンのために作られたものを見ていると感じる。風景にも、複数の人物を同時に収めるにも余裕がある。

別名アナモルフィック方式シネマスコープレンズ2.39:1レンズスコープ

デモクリップ、4秒。このページのプロンプトからSeedance 2.0 Miniでレンダリング。

レンズと光学

スクリーン上で効く理由

アナモルフィックは、一枚のフレームに収まる情報量を変える。二人の人物がフレームの両端に立っても、同じ画に収まる。人と人の間の距離が見える形になる。風景は騎手を飲み込むほど広く伸びる。一部屋が家族全員の夕食で満たされる。叙事詩、西部劇、夜の犯罪劇、距離を隔てた恋愛劇、そして環境そのものが登場人物であるような物語に向く。質感も重要だ。楕円形のボケと伸びるハイライトは、映画的でどこか夢のような感触を生む。監督が観客にフレームの中心だけでなく、画面全体を見渡してほしいと望むとき、この形式は力を発揮する。

ショットリストの一行

サイズ
ワイドショット
アングル
アイレベル
movement
固定、またはゆっくりとした寄り
レンズ
40mmまたは50mmのアナモルフィックプライムレンズ、2倍スクイーズ
尺
5秒から10秒

モニターのガイドで2.39:1に枠取りし、背景に明るい実用光源を置いて楕円ボケを出す。フレアが役者の顔を横切らないよう注意する。

脚本

脚本上での書き方

レンズの形式はプロダクションの判断であり、脚本の要素ではない。だから撮影用脚本には書き込まない。脚本家にできるのは、横の広がりを前提に書くことだ。同じ空間の中で人物を大きく離して配置する。地平線まで続く風景を描写する。テーブルを囲む群像を組む。そうした場面が横長フレームを呼び込む。監督の立場なら、ルックブックとショットリストのヘッダーにアスペクト比を明記する。最初の絵コンテの一枚目から、あらゆる構図がこれに従うからだ。

EXT. 草原 - 夕方

地平線まで、どこまでも草が広がる。二つの白いゲル、遠く離れている。

ボロルマー(20代)は一つ目の入口に立つ。青い婚礼用のデールを着て、微動もしない。

百歩先、二つ目の入口に、父ガンボルド(60代)は出てこない。

二人の間を、小さな馬に乗った少年が回っている。どちらに向かえと言われるのを待っている。

BOLORMAA

暗くなる前に出発すると、父に伝えて。

絵コンテ

絵コンテでの見せ方

パネルはすべて16:9ではなく横長の2.39:1の長方形で描く。最初から正直な構図にするためだ。人物をフレームの端寄りに置き、その間の空間に呼吸をさせる。ボケた光源は縦長の楕円で描き、フレアが伸びうる位置に薄い横線を一本入れる。パネルの下にレンズとスクイーズ比を書き添える。画面の端にわずかな歪みが出る場合は、薄い点線で示す。

組み合わせると効く技法

エクストリーム・ワイドショット
エクストリーム・ワイドショット

冒頭は、風景が主役となる巨大なワイドフレームで開く。アナモルフィックの横幅が、まず場所そのものに語らせる。以降に続くどのクローズショットも、その端に規模感を引き継いでいる。

アナモルフィックフレア
アナモルフィックフレア

フレアはこのガラスの署名だ。後のショットでヘッドライトやランプをフレームに横切らせれば、その一筋の光が全シークエンスを同じ光学的世界に結びつける。

参考作品

この技法が使われている作品

  • ヘイトフル・エイト (2015)

    ウルトラパナビジョン70で撮影された、極端に横長のフレームは、ミニーの洋品店の中に全キャストを収め、緊張を一つの部屋全体に広げる。

  • ドライヴ (2011)

    アナモルフィックレンズが街灯やヘッドライトを長く横に伸びるフレアに変え、夜のドライブシーンに輝きを帯びた独特の署名を与える。

ScreenWeaver

ScreenWeaverで設定する

アクション行に横幅を活かした場面を組み立てる。同じ空間の中に人物を大きく離して配置する。すると ScreenWeaver が脚本を自動でショットに分解する。各ショットを開き、横長の形式を前提にフレーミング、アングル、動きを設定する。ワイドショットには読み取れるだけの尺を与える。アナモルフィックの注記が必要なショットに書き加える。ロケーションとキャラクターはショットからショットへ引き継がれ、AIプレビジュアライゼーションでフレームの収まり方を確認できる。

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このクリップのプロンプト

これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。

Anamorphic lens shot, wide 2.39:1 cinemascope frame. At night on a rain-wet city street, a man in a grey wool coat walks slowly toward the camera. Behind him, out-of-focus car headlights and shop signs render as tall vertical oval bokeh, and a passing headlight draws a long thin horizontal blue lens flare streak across the whole frame. Slight curvature at the edges of the frame, shallow depth of field, slow push in. No text.

よくある間違い

  1. 01

    間違った比率で絵コンテを描く

    16:9で描いてから2.39:1に切り詰めると、頭や手が欠ける。最初のスケッチから本当の比率で描けば、演出の段取りがフレームに収まる。

  2. 02

    何でも中央に置く

    主題を画面中央に置いて両端を空けたままでは、横長の形式を無駄にする。端をもう一人の人物、窓、道などに使う。

  3. 03

    フレアを装飾として使う

    すべてのショットに筋を入れると、それはただのフィルターになる。場面内の光源に根拠を持たせ、重要な台詞の間は顔にかからないようにする。

脚本家からよくある質問

脚本でアナモルフィックフレームをどう想定して書けばいいですか?
レンズの名前を書く必要はない。横幅を活かす場面を書けばいい。部屋の両端にいる二人、地平線まで続く風景、テーブルを囲む群衆。それを監督が読めば、横長で撮ろうと考える。形式そのものはルックブックとショットリストで決める。
アナモルフィックは2.39:1にクロップするのと同じですか?
比率は同じになり得るが、見た目は違う。本物のアナモルフィックガラスは楕円ボケ、横に伸びるフレア、端のわずかな歪み、そして同じ画角でも異なる被写界深度を生む。クロップは元のスフェリカルレンズの見た目をそのまま保つ。
アナモルフィックはクローズアップにも使えますか?
使える。顔に独特の質感が出る。端に向かって柔らかく落ち込み、背景は楕円に溶ける。最短合焦距離はスフェリカルレンズより長いので、最短距離を確認し、もっと寄りたい場合はディオプターを使う。
アナモルフィックレンズはなぜ横にフレアが伸びるのですか?
画像を圧縮するシリンドリカル素子が、強い光点を横方向にも広げる。強い光がレンズに入ると、その広がりが画面を横切る一筋の線になる。コーティングの性質から、多くは青みを帯びる。