ダーティフレーム室内から覗くような画
ダーティフレームは、レンズの近くにあるピントの外れた要素、肩や戸口、ランプや通行人などを手前に置いて、その向こうを撮るショットだ。観客はその場に立っているような、登場人物の中に混じっているような、あるいは会話を盗み聞きしているような感覚を持つ。
別名ダーティフレーミング前景の遮り前景越しの撮影
コンポジション
スクリーン上で効く理由
クリーンな単独ショットは人物を切り離す。ダーティな単独ショットは、その人物を空間と、そこにいる他者とのつながりの中に留める。会話シーンでは、聞き手の肩の一部が画面に入ることで、観客はそのセリフを受け取る相手がいることを意識する。瓶越しや人混み越しに撮れば、シーンそのものが盗み聞きになる。二人の間の緊張、混雑した場所、陰謀、ドキュメンタリー的なリアリズム、混沌を描くときにダーティフレームを使う。仕上がりの美しさより現場の気配を優先すべきとき、そして隠れた観察者が近くにいると観客に感じさせたいときに、この手法は効いてくる。
ショットリストの一行
- サイズ
- 前景の肩越しに撮るミディアムクロースアップ
- アングル
- アイレベル
- movement
- 固定、または微妙なハンドヘルド
- レンズ
- 50mmから85mm
- 尺
- 4秒から7秒
前景の形はぼかして暗く保ち、画面の四分の一を超えないようにする。話し手の目にかぶらせないこと。
脚本
脚本上での書き方
ダーティフレームは撮影上の演出であり、脚本にその名称を書く必要はない。書けるのは密度と近さだ。混雑したバー、聞き取るために身を寄せ合う人々、雑音の中でささやかれる秘密。それを書けば、監督にはこのシーンが濃密で、人が密集していることが伝わる。誰かが会話を盗み聞きするなら、その人物をシーンの中に書き込むこと。前景に何を選ぶか、レンズとの距離、ピントの合わせ方はシュートリストの領分だ。
INT. 居酒屋 - 新宿 - 深夜
ぎゅう詰めのカウンター。焼き網から立つ煙。サラリーマンたちが肩を寄せ合っている。
奥の席で、モリ・ハルカ(30代、コートの下に記者証を隠している)が、年配の男タケダ・イサム(60代)に身を寄せている。イサムはビールから目を離さない。
ISAMU
検査の判は、誰かが鉄塔に上がる前に押されていた。
二人の背後で、スーツを着た若い男が食事の手を止め、耳をすませる。
ハルカがイサムのグラスの下にカードを滑り込ませる。
絵コンテ
絵コンテでの見せ方
パネルの片側に、輪郭のぼやけた大きな形を描く。肩、瓶、戸口の縁など。薄くハッチングを入れて、ピントが外れていることを示す。残りの空間には主題をシャープに配置する。前景の要素とレンズからの距離を書き込む、例えば「肩、50cm」など。人が画面を横切るなら、その動線を点線の矢印で加える。レンズとアイレベルを注記し、リバースのパネルと整合させる。
組み合わせると効く技法

オーバーショルダーは最もよく使われるダーティフレームだ。会話の始まりをこの形で撮り、二人の心理的な距離が開いていくにつれて肩を外してクリーンな単独ショットに移行する。

ダーティなフレームからクリーンなフレームへの切り替えは、人物を孤立させる効果を持つ。前景の存在感が失われることで、まるで周囲の世界が消えていくような感覚が生まれる。
参考作品
この技法が使われている作品
ゴッドファーザー (1972)
室内シーンの多くは、戸口の柱や肩、吊り下げられたランプの向こうから撮られており、画に重みと盗み聞きしているような感覚を与えている。
トゥモロー・ワールド (2006)
長回しの中で、ぼけた人影やがれきが前景を絶えず横切り、混沌が近く、密集して、生々しく感じられる。
ScreenWeaver
ScreenWeaverで設定する
人混みや近さをアクション行に書き込めば、ScreenWeaverが自動でシーンをショットに分解する。ショットを開き、アイレベルのミディアムクロースアップを設定し、柔らかい前景要素越しのフレームに、固定または微妙なハンドヘルドの動きと、セリフに合った長さを指定する。人物とロケーションはショット間で引き継がれるので、リバースショットでは前景の肩が正しい人物に属したままになる。AIプレビジュアライゼーションを使えば、前景をどれだけ残すべきかのバランスを見極めやすくなる。
無料で書き始めるこのクリップのプロンプト
これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。
Dirty frame shot in a 1930s hotel lobby with marble floors and brass fixtures. In the extreme foreground, a bellhop's blurred shoulder and the edge of a potted palm frond fill the left third of the frame, completely out of focus from a wide 50mm aperture. Deep in the background, in sharp focus, a woman in a long coat crosses the lobby toward the front desk, her footsteps unhurried. The camera stays locked off on a tripod, static, letting the crossing figure move while the soft foreground obstruction never shifts. Warm tungsten light glows from wall sconces. No text.
よくある間違い
- 01
前景が目にかぶる
肝心のセリフのところで、ぼけた形が話し手の目にかぶってしまうと、演技が読めなくなる。役者の動きをリハーサルし、カメラ位置を調整すること。
- 02
ピントの合った前景の雑物
レンズの近くにピントの合った物があると、人物から注意が逸れてしまう。意味を持たせない限り、ダーティフレームの前景はぼかして暗くしておくこと。
- 03
リバースで肩を取り違える
ダーティな単独ショットは空間の配置と一致していなければならない。前景の肩が逆側のものだと、観客は誰がどちら側に座っているのか分からなくなる。



