結論から言うと: スペック脚本は買い手に送る、読むためのきれいな原稿で、シーン番号も改訂マークもなく、カメラ指示も最小限です。撮影台本(シューティング・スクリプト)は制作用に確定させた版で、すべてのシーンに番号が振られ、変更されたページには改訂の色と日付が付き、スタッフ、キャスト、ポスプロ向けの技術的な指示が増えることもあります。スペックは売るもの、撮影台本は撮るものです。ページの書式についての詳しいルールは脚本の書式完全ガイドにまとめています。
脚本を提出します。きれいな原稿です。シーン番号はなし。セリフのまわりに (CONT'D) もない。物語として読めます。すると誰かが、これをラインプロデューサーに回すと言います。次に目にするのは、余白に番号があり、改訂ページがあり、ヘッダーに「撮影台本」と書かれた原稿です。物語は同じ。でも文書は同じではありません。スペックは売り込みと読むためのもの。撮影台本は映画を作るためのものです。この違いを知らないと、間違ったタイミングで間違ったものを渡すか、違いを知っている誰かに書き直されることになります。
脚本家が大切にするのはスペックです。エージェントがつき、脚本チームに入り、仕事を得るきっかけになるからです。制作側が大切にするのは撮影台本です。スケジュールを組み、予算を立て、撮影するのはそちらだからです。同じ物語の2つの段階。ルールも違えば、読み手も違います。
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スペック脚本とは
スペック脚本とは、買い手や制作の確約がないまま「見込みで」書かれた脚本です。エージェントを得るため、コンテストに応募するため、プロデューサーや企画開発の担当者に送るために使う版です。その唯一の仕事は読まれること。だから明快さと読みやすさに最適化されています。シーン番号なし。カメラ指示なし(あってもごくわずか)。技術的な注記なし。あるのは物語、登場人物、セリフ、ト書きだけ。読み手が脚本を読んでいることを忘れ、映画を見ているように感じるのが理想です。
スペックの業界標準の書式は、12ポイントの Courier(または同等のフォント)、約1インチの余白、セリフとト書きは同じフォント。シーン見出しは大文字。セリフの上の役名も大文字。括弧書きは最小限。製本は留め具1つか PDF だけ。目標はプロらしく見せて、邪魔をしないことです。読み手に設計図を読んでいると思い出させるもの、つまりカメラアングル、レンズの選択、シーン番号は、別の段階のものです。電話の場面などの技術的な書式の選び方でも触れたように、スペックでも読みやすさに関わる書式の判断はします。でも、まだ制作上の判断をする段階ではありません。
スペック脚本が答える問いは1つ。この映画を見たいか?撮影台本が答える問いは別のもの。どうやってこれを作るか?
撮影台本とは
撮影台本は、準備期間と撮影で使われる確定版です。シーン番号があります。すべてのシーンに番号(1、2、3…)が振られ、スケジュール、予算、香盤表、編集がすべて同じものを指せるようになっています。「今日はシーン24と27を撮ります」。これは脚本に番号があって初めて成り立ちます。撮影台本には改訂ページ(改訂の色と日付付き)、制作メモ、ときにはより明確な技術的指示が含まれることもあります。作業用の文書です。こうした文書を頂点の人たちがどう使うかはショーランナーとは何か、どうすればなれるかをご覧ください。撮影台本は企画開発を経ています。監督、ショーランナー、ほかの脚本家に書き直されているかもしれません。助監督とラインプロデューサーが分解(ブレイクダウン)するのも、現場にあるのもこの版です。
最初の撮影台本を作るのは、たいてい脚本家ではありません。制作部です。承認された脚本(多くはまだスペックの書式)を受け取り、シーン番号を振って撮影台本として発行します。それ以降、変更があれば改訂ページが出ます。新しいシーンにはアルファベットが付きます(24A)。削除されたシーンは番号を残したまま OMITTED(削除)と記されます。この仕組みで、全員が文字どおり同じページを見ていられるのです。

並べて比べる:なぜ分かれるのか
| 項目 | スペック脚本 | 撮影台本 |
|---|---|---|
| シーン番号 | なし | すべてのシーンに番号 |
| 改訂 | 該当なし | 改訂の色、日付、ヘッダーに「Rev.」 |
| カメラ・技術的指示 | 避ける、または最小限 | 増えることもある(監督次第) |
| 読み手 | 読み手、買い手、幹部 | スタッフ、キャスト、ポスプロ、予算担当 |
| 使う時期 | 企画開発、売り込み、脚本チーム入り | 準備期間から撮影終了まで |
スペックは売り込みと読むための文書。撮影台本は製造のための文書です。撮影台本を「売る」ことはありません。撮るのです。

よくある場面:初めての脚本家が違うファイルを送る
長編を書き上げました。マネージャーが「このプロデューサーに脚本を送って」と言います。あなたは手元にある唯一の版を送ります。ずっと手直ししてきた版で、「管理しやすいように」自分で振ったシーン番号があり、雰囲気が好きで入れた「我々は見る」や「カメラが寄る」もいくつか。プロデューサーは読みます。番号のせいで断ったりはしません。でも読み心地が技術的です。設計図を読んでいることを思い出させてしまう。スペックは物語として感じられるべきなのに、送ったのはその中間のものでした。次からはきれいな版を送りましょう。番号なし。カメラ指示なし。物語に先導させる。もう一方の版は、誰かが撮影用の原稿を求めたときのために取っておきます。脚本を読みやすくプロらしく保つ方法は脚本での効果音の書き方も参考にしてください。原則は同じで、読み手に必要なものだけを書きます。
よくある場面:連続ドラマの脚本家が改訂ページを受け取る
あなたはあるドラマの脚本チームにいて、第4話を書きました。届いた PDF には「第104話、Rev. ブルー、2/14」。あなたのシーンはありますが、番号が振られています。いくつかのセリフが変わっています。あなたが書いたシーンが6Aになっています。分割されたのです。その書き直しをしたのはあなたではなく、ショーランナーか監督です。これは普通のことです。撮影台本は生きた文書です。チームの一員としてのあなたの仕事は、改訂のプロセスを理解することです。自分の回の改訂ページを書くよう頼まれるかもしれません。ほかの人の回に手を入れるよう頼まれるかもしれません。撮影台本が唯一の正解です。そこから作業します。「本当の」脚本は自分の元の原稿だと言い張ってはいけません。本当の脚本は、いま撮影されているものです。
初心者がやりがちな間違い(現場からの教訓)
スペックにシーン番号を付ける。 経験が浅いことが一目でわかります。シーン番号は制作のためのものです。読み手は番号を撮影台本や、すでに企画開発を経た原稿と結びつけます。コンテスト、マネージャー、プロデューサーに出すなら外しましょう。
スペックで監督のように書く。 「カメラがクレーンで上昇する」「クローズアップにカット」「ロングショット:街」。うるさいと感じる読み手もいれば、出しゃばりだと感じる読み手もいます。スペックは映画の演出を決める場所ではありません。見えるもの、起きることを書き、レンズは監督に任せましょう。自分で監督もするなら、撮影台本やショットリストで加える機会があります。
自分のスペックに番号が振られる日は来ないと思い込む。 脚本が売れるか企画が通れば、撮影台本になります。いまからその書き方をする必要はありません。ただ、移行を難しくすることは避けるべきです。40で足りるのに80のシーンを書く、スケジュールを組めないシーンを書く、などです。スペックでは語り手として考え、書き終えたら少しだけ制作できるかを考える。番号を付ける必要はありません。ブレイクダウンできるものを書けばいいのです。
制作中に改訂の手順を無視する。 ドラマや企画が通った長編では、撮影台本にルールがあります。新しいページには改訂の色が付きます。追加されたシーンには A、B、C が付きます。脚本全体の番号を振り直すことはしません。印のない書き直しを送ることもしません。手順を覚えましょう。聞けば制作部が教えてくれます。間違ったものを送るより、聞くほうがずっといい。
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Start Freeスペックが撮影台本になるとき
移行が起きるのは、企画が準備段階に進むと承認されたときです。制作部(または担当になった脚本家)が確定した脚本にシーン番号を振ります。それが最初の撮影台本です。それ以降、あらゆる変更が記録されます。脚本家なら、改訂を書くよう頼まれることもあります。改訂は色付きのページとして発行されます。脚本は1つの文書のままで、全員が同じシーン番号を持ちますが、ページは変わっていきます。そうやってスタッフは最新の状態を保ちます。脚本チームに入ったり書き直しで雇われたりしたら、その仕組みの中で働くことになります。チームの中では原稿が「スペック」の形(番号なし)で始まることもありますが、その回が確定すれば番号付きの撮影台本になります。

改訂ページと撮影台本の一生
撮影台本が動き出すと、変更は記録されます。セリフの微調整、新しいシーン、削除。どれも改訂ページを生みます。制作部は改訂の色(たとえばブルー、ピンク、イエロー)と日付を割り当てます。ヘッダーには「Rev. ブルー、2/18」などと書かれます。再発行されるのは変更されたページだけで、残りはそのままです。全員が自分の台本のそのページだけを差し替えます。だから台本は常に1つの文書(同じシーン番号)でありながら、中身は進化していきます。制作に慣れていない脚本家は、改訂の色を付けずに新しい原稿をまるごと送ってしまうことがあります。それは仕組みを壊します。助監督とスタッフは、1つの更新された台本で動いています。改訂ページが全員の足並みをそろえるのです。ドラマや企画が通った長編に関わったら、改訂をどう納品してほしいか制作部に聞き、その手順に従いましょう。それが現場の回し方です。

スペックの書式が残り続ける理由
脚本が売れたあとも、企画開発中の初期の原稿はスペックの書式のままのことが多いです。シーン番号なし。スタジオと脚本家がまだ物語を変えているからです。早すぎる段階で番号を振ると、シーンを足したり削ったりするたびに振り直すことになります。だから準備のために確定するまで、脚本は「きれいな」ままです。そのあとで制作部が番号を振り、最初の撮影台本を発行します。脚本家として、撮影台本そのものに手を触れないこともあるでしょう。番号付けは制作進行が行うかもしれません。あるいは、制作中のドラマのために、すでに番号付きの原稿を納品するよう求められるかもしれません。違いを知っていれば、各段階で求められるものを渡せます。幹部が「最新の原稿を送って」と言うとき、「撮影台本」と言わない限り、たいていはスペック形式の原稿のことです。ラインプロデューサーや助監督が「脚本」と言うときは、番号付きの撮影台本のことです。1つの言葉、2つの違う文書。間違えないようにしましょう。

まとめの視点
スペック脚本は読むためのもの。撮影台本は作るためのもの。スペックは売れるように、読まれるように書きましょう。制作の仕掛けで散らかしてはいけません。企画が進めば、あなたの仕事から撮影台本が作られ、それは変化していきます。あなたの仕事は、いつどの文書を書いているのかを知り、正しいものを正しい人に渡すことです。それができれば、何年もこの仕事をしてきたように見えます。
日本の現場での呼び方
日本の映像制作では、企画段階の脚本を「シナリオ」、撮影用に印刷・製本したものを「台本」と呼び分けることが多く、シーン番号(シーン1、シーン2…)は脚本の段階から振られているのが一般的です。ハリウッド式のスペック脚本でシーン番号を外すのは、英語圏の読み手や海外の企画コンテストに出すときの作法だと考えてください。国内向けなら、提出先の慣習に合わせるのがいちばん確実です。
FAQ
スペック脚本と撮影台本の違いは何ですか?
スペック脚本は読んで売るためのきれいな版で、シーン番号も改訂マークもありません。撮影台本は制作のために確定させた版で、すべてのシーンに番号があり、改訂ページには色と日付が付き、スタッフ向けの技術的な指示が増えることもあります。
スペック脚本にシーン番号を付けるべきですか?
英語圏の慣習では付けません。シーン番号は制作のためのもので、コンテスト、マネージャー、プロデューサーに送るスペックに付いていると経験不足に見えます。準備のために脚本が確定した時点で、制作部が番号を振ります。
台本の改訂色とは何ですか?
撮影台本に変更があると、変更したページだけが違う色の紙(たとえばブルー、次にピンク、次にイエロー)で、ヘッダーに日付を入れて再発行されます。こうして全員が同じシーン番号の1冊の台本を保ち、変わったページだけを差し替えます。
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