結論から言うと: 脚本のアウトラインを作るには、まず結末を決め、幕の区切りをページの目標として置き、各幕をシークエンスに分け、そのうえですべてのシーンを1行で並べます。どこで起き、誰がいて、終わりまでに何が変わるか。完成した長編のアウトラインは、月曜の朝からそのまま書き始められるシーンの一覧で、ふつう2〜10ページの長さです。
アウトラインは、アイデアから初稿までのガイドで説明している長い工程の1段階です。ここではその1段階だけを扱い、そのために書いた実例を使います。80ページのドラマ『SLACK WATER』の全28シーンのアウトラインです。
脚本のアウトラインとは
脚本のアウトラインとは、観客が見る順にシーンを並べた一覧で、それぞれに何を書けばいいかわかるだけの情報がついたものです。物語の形を1ページで確かめるビートシートと、脚本そのものとのあいだに位置します。トリートメントは別物で、読み手を説得するための散文です。どの文書を先に作るか迷ったら、ビートシート、アウトライン、トリートメントの比較で順番がはっきりします。短く言えば、ビート、アウトライン、頼まれたらトリートメント、の順です。
日本の脚本の現場でいう「箱書き」は、まさにこのアウトラインにあたります。シーンごとに箱を作り、場所、人物、出来事を書き込んでいく方法で、プロットを固めてから本文に入る前の設計図です。
アウトラインは自分のためのものです。誰も買わないので、見た目が悪くても、略語だらけでも、疑問符だらけでも構いません。あいまいであることだけは許されません。
アウトラインの4つの階層
どんなテンプレートを使っても、アウトラインは4つの詳しさの階層で働きます。上から下へ組み立て、問題はそれが現れたいちばん上の階層で直します。

4つの階層と、『SLACK WATER』のアウトラインの数字。ScreenWeaverの図。
| 階層 | 答える問い | 110ページの長編では | 80ページの例では |
|---|---|---|---|
| 幕 | 物語が後戻りできない形で転換する場所 | 3(テレビではもっと多いことも) | 3 |
| シークエンス | この区間の物語がどんな問いを立て、どう答えるか | 8、それぞれ約12〜15ページ | 8、それぞれ約10ページ |
| シーン | どこにいて、誰がいて、何が変わるか | およそ40〜60 | 28 |
| ビート | シーンの中での行動の変化の1つ1つ | 1シーンに複数 | 1シーンに2〜6 |
シークエンスの行は8シークエンス法から来ていて、最初のアウトラインでいちばん飛ばされがちな階層です。幕は大きすぎてそこから書けず、シーンは小さすぎて判断できません。だから、第2幕のたるみが実際に見えるのはシークエンスの階層なのです。
ステップ1:結末と前提を2文で書く
最後のシーンから始めます。物語がどこに着地するかわからなければ、その前の選択はすべて推測になり、アウトラインはどこへでも行ける出来事の羅列になってしまいます。2文を書きます。誰が何を望み、どう終わるのか。
例では次のとおりです。
潮位の測量士ネルは、亡くなった父の造船所を1週間で売るために帰郷し、11年口をきいていない弟のために父が作りかけていた船を見つける。彼女は造船所を売るが船は手元に残し、夜明けに弟とともに海へ出る。
2文目は、ほかに何かを書く前に何度か変わると思ってください。だからこれが最初に来るのです。ここで変えれば1行で済みますが、あとで変えればシークエンス1つ分の代償がかかります。
ステップ2:幕の区切りをページの目標として置く
長さを決め、幕が転換する場所に印をつけます。正しい書式の脚本の1ページは画面でおよそ1分なので、ページの目標は上映時間の目標です。80ページの脚本では次のようにしました。
- 第1幕:1〜20ページ、ネルが船を完成させると決めたところで終わる
- 第2幕:20〜62ページ、ミッドポイントは40ページ前後
- 第3幕:62〜80ページ
目標として扱ってください。24ページで区切れても問題ありません。80ページの脚本で区切りが35ページなら、第1幕が詰め込みすぎです。ほかの長さでの計算が必要なら、ビートシート計算ツールが主な転換点をページ番号に割り当てます。
ステップ3:各幕をシークエンスに分け、それぞれに問いを持たせる
すべてのシークエンスに名前と、最後のシーンまでに答える問いを与えます。これが効くのは第2幕です。「真ん中」が、それぞれに結末を持つ4つの小さな物語に変わるからです。
| シークエンス | ページ | 名前 | 答える問い |
|---|---|---|---|
| 1 | 1〜10 | 電話 | ネルはそもそも帰ってくるのか? |
| 2 | 10〜20 | 買い手 | 7日で造船所を売れるのか? |
| 3 | 20〜31 | 1隻の船、2人の人間 | 彼女とオーウェンは並んで働けるのか? |
| 4 | 31〜41 | 建造日誌 | 本当に見捨てたのはどちらなのか? |
| 5 | 41〜51 | 圧力 | 期限が動いたとき、何が折れるのか? |
| 6 | 51〜62 | ひび | 売却を失ってでも、船にその価値はあるのか? |
| 7 | 62〜71 | 潮汐表 | 船を浮かべる別の方法はあるのか? |
| 8 | 71〜80 | 憩流 | 船は浮くのか、ネルは何を手元に残すのか? |
2つのシークエンスが同じ問いに答えているなら、どちらかは水増しです。これ以上速い構成のチェックはありません。
ステップ4:すべてのシーンを1行で並べる
ここからが本当のアウトラインです。各行に、柱、そこにいる人物、何が変わるかを言う1文を書きます。その文は、人物のものである動詞で書きます。「ネルが建造日誌を見つける」はアウトラインの行です。「真実が明らかになる」は違います。部屋に誰がいて何をするのかがわからないからです。
これが『SLACK WATER』の全体です。物語も名前も、この記事のために私たちが書いたものです。
| # | シーン | 何が変わるか | ページ |
|---|---|---|---|
| 第1幕 | |||
| 1 | ○北海・測量艇(夜明け) | ネルは水深をセンチ単位で記録し、島の同じ番号からの着信を4回無視する | 1〜2 |
| 2 | ○測量艇・操舵室(昼) | 留守電:父トムが亡くなった。彼女は上司に8日ではなく7日を願い出る | 2〜4 |
| 3 | ○フェリー・甲板(夕) | ネルは町が見えるより先に、海から造船所のクレーンを見つける | 4〜5 |
| 4 | ○ハロラン造船所・事務所(夜) | ビスケットの缶に未払いの請求書。彼女は台詞1行で売ると決める | 5〜10 |
| 5 | ○港のホテル・バー(夜) | ホテルの主人デヴが買うと申し出る。条件は1つ、金曜までに小屋を空にすること | 10〜13 |
| 6 | ○大きな小屋(夜) | 防水シートの下に、外板が半分張られた木の船体。船尾板にチョークで「オーウェンへ」 | 13〜15 |
| 7 | ○船台(夜明け) | ネルが潮汐表を読む。船体は重すぎて道路は通れないので、金曜6時10分の大潮で海から出すしかない | 15〜17 |
| 8 | ○大きな小屋(昼) | 11年いなかったオーウェンが、もう中で船体を測っている。ネルは彼と一緒に完成させてから売ることに同意する | 17〜20 |
| 第2幕 | |||
| 9 | ○大きな小屋(昼) | 板1枚ごとに言い争う。オーウェンの仕事ぶりは父そっくりだ | 20〜23 |
| 10 | ○船具店(昼) | 青銅の留め具はネルの手持ちより高い。オーウェンが現金で払い、出どころは言わない | 23〜25 |
| 11 | ○港の防波堤(夜) | ネルは、父の看病を自分ひとりに押しつけたとオーウェンを責める。彼は弁解しない | 25〜28 |
| 12 | ○大きな小屋(夜) | 片舷の外板が張り終わる。ネルは作業台の上でデヴとの基本合意書に署名する | 28〜31 |
| 13 | ○トムの家(昼) | 家を片づけていて、ネルは父の建造日誌を見つける | 31〜34 |
| 14 | ○トムの家(続き) | 日誌によれば、オーウェンは6年間、毎冬造船所に来ていた。一度も来なかったのはネルのほうだった | 34〜37 |
| 15 | ○造船所(夕) | ネルはオーウェンがひとりで板を蒸して曲げるのを見つめ、中には入らない | 37〜38 |
| 16 | ○大きな小屋(夜) | ミッドポイント。彼女は日誌を船体の上に置く。父はオーウェンに、彼女には言うなと頼んでいた。彼女の怒りの矛先が変わる | 38〜41 |
| 17 | ○港のホテル・バー(昼) | デヴが期限を木曜に早める。工事業者が早く来るからだ | 41〜44 |
| 18 | ○大きな小屋(昼) | ネルの上司から電話。木曜に戻ってほしい。彼女は承諾する | 44〜46 |
| 19 | ○大きな小屋(夜) | 嵐。屋根から塗りたてのニスに雨漏り。オーウェンはシートを押さえるために船体の中で眠る | 46〜49 |
| 20 | ○大きな小屋(夜明け) | ネルがコーヒーを持ってくる。映画で初めて2人のあいだに冗談が交わされる | 49〜51 |
| 21 | ○船台(昼) | 水張り試験。継ぎ目が1か所にじむ。オーウェンは詰めろと言い、ネルはもたないと言う | 51〜54 |
| 22 | ○造船所・事務所(夜) | ネルが契約書に署名する。デヴの作業班は木曜8時に、船があろうとなかろうと小屋を片づける | 54〜58 |
| 23 | ○フェリー乗り場(夜明け) | オーウェンが始発のフェリーで去る。どん底 | 58〜62 |
| 第3幕 | |||
| 24 | ○トムの家(昼) | 荷造りの途中、ネルは古い潮汐表にトムの鉛筆の書き込みを見つけ、計算し直す。船体を軽くすれば、水曜23時40分の潮で足りる | 62〜65 |
| 25 | ○トムの家(昼) | ネルが本土のオーウェンに電話する。「水曜、零時20分前。人手が要る」 | 65〜67 |
| 26 | ○造船所(夜) | 島が集まってくる。船具店の主人、バーテン、フェリーの乗組員。デヴは道路から見ている | 67〜71 |
| 27 | ○船台(夜) | 満潮での進水。弱い継ぎ目から水が入り、彼らはかき出し、木が膨らんで閉じる | 71〜77 |
| 28 | ○河口(夜明け) | ネルとオーウェンが、今はデヴのものになった造船所の前を帆走していく。彼女が残したのは造船所ではなく船だった | 77〜80 |
長編まるごとで約900語です。各行の下に短い段落を加える書き手もいます。1行版が残っている限り、それで構いません。読み返すのはその1行版だからです。

同じ28シーンをカードにし、幕ごとに1色に。映画全体を一度に見ると、ばらつきのあるシークエンスが一目瞭然です。ScreenWeaverの図。
こうして並べると、水増しはすぐ見つかります。留守電のあとの葬儀のシーンは、シークエンス1にいかにも足したくなるものですが、留守電がすでに変えたこと以上は何も変えないので、カードはありません。カードか一覧かは、主に頭の働き方の問題です。その選択はビートボードとアウトラインの比較で掘り下げています。
Try it free
Try ScreenWeaver for free on your script
It is free. Import your existing project, get a clearer view of your outline, and regain control of your story structure in minutes.
Start Freeステップ5:物語を転換させるシーンをビートに分ける
すべてのシーンにビートが必要なわけではありません。幕の区切り、ミッドポイント、どん底、クライマックスといった、物語が向きを変えるシーンでだけ行います。ビートとは、人物がしていることの変化1つです。ミッドポイントのシーン16は次のように分かれます。
- ネルが無言で日誌を船体の上に置く。
- オーウェンはそれに気づき、触れない。
- 「毎冬?」彼は、父に言うなと頼まれていたと話す。
- 彼女の怒りが、オーウェンから父へと移る。
- 彼女はかんなを手に取り、彼の側の船体で作業を始める。
5つのビート、5つの行動の変化。最後の1つが、第2幕の残りを動かす関係を据えます。転換点として印をつけたシーンに2つ以上のビートが見つからないなら、そのシーンはまだ何も転換させていません。
ステップ6:1ページ書く前にアウトラインを試す
完成した一覧に、次のチェックをかけます。どれも数分で済み、どれも初稿でやるよりここでやるほうが安上がりです。
- 「何が変わるか」の列だけを読む。 ある行を消しても次の行が壊れないなら、そのシーンを削るか、役目を与えます。
- つなぎの言葉を替える。 『サウス・パーク』のトレイ・パーカーとマット・ストーンは、自分たちの脚本のルールとして、ビートのつなぎが「そして」なら「しかし」か「だから」に書き直す、と語っています。シーン21から22は「継ぎ目がにじむ、だからネルは署名する」と読めます。シーン9から10には「しかし」が必要で、なければどちらかを削ります。
- シークエンスごとのページを足す。 私たちの例は10、10、11、10、10、11、9、9。隣の倍の長さのシークエンスは、たいてい2つのシークエンスか、水増しを含む1つです。
- 各シークエンスが自分の問いに答えているか確かめる。 シークエンス5は、期限が動いたとき何が折れるかを問います。シーン18が答えます。今のところは、ネルの仕事が勝つ。
- 主人公の決断を探す。 ネルはシーン4、8、12、18、22、25で決断します。彼女の決断のない6シーンが続けば、それは物語が彼女の身に起こるだけの区間です。
アウトラインでよくある失敗
ビートシートなしでアウトラインを作る
形のない出来事の一覧ができ、55ページで物語にエンジンがないことに気づきます。先に15行のビートシートを作るだけでも防げます。
初稿のようにアウトラインを書く
台詞の入った20ページのアウトラインは、誰も使えない形式の初稿です。行は短く、シーンは頭の中に。
人物のいない行
「造船所で緊張が高まる」は雰囲気です。誰が何をするのか。言えないなら、初稿でもそのシーンを前に固まってしまいます。
二度と手を入れない
アウトラインは作業用の文書です。初稿でシーン19が死んだら、その日のうちにアウトラインを変えましょう。そうしないと、続く40ページはもう存在しない計画に沿って書かれることになります。
ページの目標をルールとして扱う
80ページの脚本で43ページのミッドポイントは問題ありません。大事なのは、それが起こるシーンを名指しできることです。
アウトラインに役立つ道具
Screenplay Outline Builderは、ブラウザで使える私たちの無料ツールです。タイトル、ジャンル、幕の数、主要人物、目標、葛藤、結末を入力すると、各幕の下に設定、エスカレーション、転換を置いたアウトラインの骨組みを書いてくれるので、そのままコピーできます。シーン一覧を始める前に、ステップ1と2をこなすのに向いています。

私たちのScreenplay Outline Builder。2026年10月22日にscreenweaver.ai/tools/screenplay-outline-builderから取得。
ScreenWeaverの中では、Scriptタブの脚本エディターの上にカードビューがあります。長編では、シークエンス、ストーリービート、シーンの3つのトラックが表示され、親のカードは中に含むカードの上に広がります。ストーリービートには最大3つのラベルをつけられ、きっかけの事件、第1ターニングポイント、ミッドポイント、どん底、クライマックスなどを含む組み込みのセットから選ぶことも、自分で作ることもできます。連続ものではエピソードと幕のトラックが加わります。アプリの中ではストーリービートはシークエンスとシーンのあいだにあるので、言葉の構造的な意味で使われています。ミッドポイントのビートは、それをもたらすシーンを含みます。『SLACK WATER』の4つ目のシークエンスをそのように組んだのがこちらです。

ScreenWeaverのカードビュー。アプリの画面をもとに、『SLACK WATER』の例で再構成したもの。ScreenWeaverは私たちの製品です。
同じ階層をアプリの画面で見たい方は、無料の脚本講座のレッスン3.2アウトラインとは?で、アウトラインビューを動画で紹介しています。
書き直すたたき台としてモデルに構成を提案させたいなら、AIでアウトラインを作るガイドが、それが役立つところと物語を平板にしてしまうところを解説し、AI脚本アウトラインツールのページでScreenWeaverでの扱い方を説明しています。
FAQ
脚本のアウトラインとは何ですか?
脚本のシーンを画面の順に並べた一覧で、それぞれに場所、そこにいる人物、そのあいだに何が変わるかを書いたものです。書き手が初稿を計画するために使います。トリートメントと違い、ふつうは誰にも送りません。
脚本のアウトラインはどれくらいの長さにすべきですか?
長編なら、1シーン1行のアウトラインで1〜3ページです。シーンごとに短い段落をつけると、たいてい3〜10ページになります。『SLACK WATER』のアウトラインは28シーンで約900語です。
長編のアウトラインにはシーンがいくつ必要ですか?
110ページの長編なら、ジャンルやシーンの長さによって、だいたい40〜60シーンほどです。短い脚本や台詞の多いドラマでは少なくなります。80ページの例は28シーンで、平均3ページ弱です。
脚本を書く前にアウトラインを作るべきですか?
長編なら、意図的に速く書いて大きく書き直すのでない限り、作るべきです。10ページ以下の短編なら、物語全体が頭に入るので、ビートから直接本文に進めることもよくあります。
アウトラインとビートシートの違いは何ですか?
ビートシートは物語の形を確かめる1ページで、大きな転換1つにつき1行です。アウトラインは、その転換を書くべきすべてのシーンに分解します。先にビートシートを作り、そこからアウトラインを作ります。
AIに脚本のアウトラインを書いてもらえますか?
前提からたたき台を作ることはできますが、結果はたいてい月並みです。議論の相手として扱いましょう。何かを変えるシーンは残し、残りは自分の人物の決断で書き直します。
Writing is free
Write your next script with ScreenWeaver
Write for free, export to PDF and Final Draft, and turn your scenes into a storyboard when you are ready.
Start writing free



