ウィグルグラム歩いて回れそうな、静止した瞬間
ウィグルグラムは、わずかに視点をずらして撮った数枚のフレームをループさせる技法だ。静止した瞬間が左右に揺れ動き、奥行きが浮き上がる。観客はまるで、記憶を立体として、宙に浮かせたまま手作りで見ているような感覚を持つ。
別名Wiggle GIF視差ループNishikaループ
光学効果
スクリーン上で効く理由
ウィグルグラムは記憶と郷愁のための技法だ。パーティーのスナップ、家族旅行、ライブ、初デートなど、人が手元に残して何度も見返したくなる瞬間に向く。被写体は静止しているのに視点だけが動くので、時間は止まっても空間は生きたままになる。だからフラッシュバック、写真アルバム、タイトルシーケンス、音楽主体のモンタージュに最適だ。物語がある一瞬を観客に抱かせ、あらゆる角度から見つめさせたいとき、このシーンは効いてくる。また、登場人物を写真家や瞬間の収集家として印象づける効果もあり、そのアナログな質感が作品の時代設定を語ることもある。
ショットリストの一行
- サイズ
- 静止した瞬間のミディアムショットまたはミディアムワイド
- アングル
- アイレベル
- movement
- 実際のカメラ移動はなし:短い水平ベースライン上に3から4視点
- レンズ
- 揃えたレンズ、35mmから50mm、主要被写体で同一のフォーカス面
- 尺
- 2から4秒(3から4フレームのループを数回)
全視点を同時に切り、主要被写体を各フレームで同じ位置に保つこと。そうすればループはその一点を軸に回る。
脚本
脚本上での書き方
脚本の中で用語そのものを使うのは、登場人物が実際にウィグルグラムを撮っている場合に限る。そのときはカメラや写真が物語上の小道具として描写できる。それ以外では、その瞬間を凍った記憶として書く。呼吸しているように見える一枚の写真、笑い声の途中で止まった顔、というふうに。演出上の処理は監督が決める。フレーム枚数、カメラ間隔、ループ速度はショットリストとポスト処理のノートに書き、専門スタッフが撮影計画を立てられるようにする。
屋外 屋上での結婚式 - ラゴス - 夜
イルミネーション、ジョロフライスの湯気、生演奏のハイライフバンド。
チデラ・オコンクウォ(20代、花嫁のいとこ)が古い四連レンズのフィルムカメラを構え、踊る新郎新婦を撮る。
花嫁のゲレ(頭飾り)が光を受け、片手が空に上がり、新郎は回転の途中で止まる。
瞬間が止まり、左右にゆっくりと揺れる。まるでその周りを歩いて回れそうに。
そして音楽が再び爆発するように鳴り出す。
絵コンテ
絵コンテでの見せ方
1コマに静止した瞬間を描き、軸となる点(通常は主要人物の顔)に小さな十字マークを入れる。その下に、短い水平線上に3から4個のカメラアイコンを描き、間隔をセンチメートルで書き込む。フレーム全体に揺れの動きを示す両矢印を加え、ループ速度(例えば1秒8フレーム)を書く。シーンのどの瞬間を凍らせるのかも書いておく。
組み合わせると効く技法

ウィグルグラムの直前に、同じ瞬間を普通のフリーズで止めておくと、時間が完全に止まる。その後、画面が奥行きに揺れ始めると、凍った瞬間がふと開き、ひとつの場所になったように見える。

複数のウィグルグラムをモンタージュにつなぐと、ある夜や夏全体が、手元に残した記憶の連なりになる。それぞれが、観客がほとんど踏み込めそうなスナップショットとして積み重なる。
参考作品
この技法が使われている作品
マトリックス (1999)
バレットタイム、静止カメラを俳優の周りに並べて順に発光させるあの装置は、複数視点で捉えるウィグルグラムの技術的な先祖にあたる。
スウォードフィッシュ (2001)
オープニングの爆発は静止したまま、視点だけが静止カメラの配列を通り抜ける。ウィグルグラムの視差表現の映画的な従兄弟だ。
ScreenWeaver
ScreenWeaverで設定する
脚本のアクション部分に、静止した瞬間をそのまま書けば、ScreenWeaverが自動でシーンをショットに分解する。絵コンテでそのショットを開き、アイレベルのミディアムフレーミング、動きは小さなアーク、尺は2から4秒の短めに設定し、ショット説明にループ処理のメモを書き込む。キャラクターはショットからショットへ引き継がれるので、静止した瞬間も周囲のシーンと自然に噛み合う。配置とリズムはAIプレビジュアライゼーションで確認できる。
無料で書き始めるこのクリップのプロンプト
これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。
Wigglegram of a narrow medieval stone lane between two-story stone houses, captured from four fixed horizontal viewpoints spaced a few centimeters apart, looping back and forth between the four framings at roughly ten switches per second in a stepped, non-smooth motion. A wrought iron lantern hanging close to the lens swings noticeably between frames while a distant stone archway and cobbled square barely shift. A cloaked merchant with a basket of bread stands motionless in the midground under flat, even daylight, with no motion blur and no camera glide. No text.
よくある間違い
- 01
軸が定まっていない
フレームが一つの被写体に揃っていないと、画面全体がガタつくだけで、奥行きに揺れる感覚が出ない。軸となる点(通常は主要人物の顔)を決め、すべてのフレームをそこに揃えること。
- 02
ベースラインが広すぎる
視点間の間隔が開き過ぎると、ループが跳ねて見え、目が疲れる。数メートル先の人物であれば、視点間はわずか数センチで十分に奥行きが出る。
- 03
フレーム間で被写体が動いている
各フレームが同時に撮られていないと、被写体がずれて錯覚が崩れる。同期したカメラ、多眼カメラ、あるいは3D撮影を使うこと。



