サイド光質感と奥行き、そして見えない半分
サイド光は被写体の横、カメラに対してほぼ直角の位置から当たる光だ。表面を斜めに舐めるように照らし、反対側は影に落ちる。顔も手も物も質感と奥行きを帯び、観客は何かが見えていないと感じ取る。
別名横光サイドライト90度ライティングクロスライト
照明
スクリーン上で効く理由
サイド光は物の成り立ちを見せる光だ。木目、手のしわ、指の下の粘土、顎の無精髭。だから仕事や年齢、身体や手仕事を描くシーンに向いている。顔に当てればドラマ性と隠された部分の気配が生まれる。片側が闇に沈むからだ。頑固な人物、秘密を抱えた人物、風雪に耐えてきた人物の肖像に、言葉にされないことのある会話に、そして窓ひとつ、戸口ひとつで照らされた室内に効く。質感と「見えない半分」という発想の両方が意味を持つとき、観客が表面を凝視しその奥を想像すべきときに、このライティングを選ぶ根拠が生まれる。
ショットリストの一行
- サイズ
- ミディアムクローズアップ
- アングル
- アイレベル
- movement
- 固定、または台に沿ったゆっくりしたスライド
- レンズ
- インサート用に50mmから100mmマクロ
- 尺
- 5秒から8秒
キーライトをカメラ軸に対しておよそ90度の位置に、表面を斜めに舐めるくらい低く設置する。奥側は落ちるに任せ、目が消えてしまう場合のみフィルを足す。
脚本
脚本上での書き方
照明用語は脚本に書かない。その代わり、横からの光源を空間に置く。作業台の左手にある窓、庭に開いた戸口、野原を低く差す夕陽。その光が何を浮かび上がらせるかを描写する。棚の埃、手の血管。それが読者を楽しませる描写になる。角度や光の硬さ、フィルを入れるかどうかは撮影監督と決めるシュートリストの領分だ。
INT. 陶房 - オアハカ - 夕方
中庭に面した戸口がひとつ開いている。光はろくろの上を低く平らに差し込む。
ドニャ・セリア・ルイス(70代)が両手で黒い粘土を芯出ししている。指の節のひとつひとつが影を落とす。
孫のトマス(25)、ロサンゼルスから戻ってきて、部屋の暗い側から見ている。
彼女は彼を見ない。
DOÑA CELIA
座ってもいいよ。粘土はあんたがどこにいたかなんて気にしないから。
絵コンテ
絵コンテでの見せ方
被写体を明るい側と暗い側にくっきり分けて描き、明るい側にはしわや木目、布のたるみなど質感を示す小さな陰影の線を加える。コマの横にランプか太陽の記号で光源を示し、表面を舐めるように差す平らな矢印を添える。カメラと光源を直角に配置した俯瞰図も加える。「サイド光、フィルなし」と動機となる戸口や窓を書き添える。
参考作品
この技法が使われている作品
ゴッドファーザー (1972)
ゴードン・ウィリスは部屋を横から、ブラインド越しに照らし、顔を切り取る。この男たちは常に自分の一部を見せないままでいる。
チャイナタウン (1974)
窓のブラインドを通した硬い横光が、部屋と顔に影の縞を刻む。隠し事だらけの物語を映像で映し出している。
ScreenWeaver
ScreenWeaverで設定する
アクション行に横からの窓や戸口を書き込めば、ScreenWeaverが自動でシーンをショットに分解する。各ショットを開き、サイズ、アングル、動き、尺を設定し、光源の位置についてメモを加える。人物とロケーションはショット間で引き継がれるので、カバレッジからインサートまで光は同じ側にとどまる。AIプレビジュアライゼーションで、顔のどこまでを闇に委ねるか確認できる。
無料で書き始めるこのクリップのプロンプト
これはページ上部のクリップをレンダリングした、そのままのプロンプトだ。カメラと光の記述は残し、主体と場所だけを変えればいい。
Side lighting: a woman in her fifties kneads dough on a steel counter inside a small bakery at 5 am, low golden light streaming through a single side window and hitting her at roughly ninety degrees, carving one side of her face and arms in bright warm light while the other side falls into deep shadow. The camera holds a static medium shot at eye level as flour dust drifts through the shaft of light. Racks of bread stay dark and undefined in the background, untouched by the light. No text.
よくある間違い
- 01
光の向きが途中で変わる
ワイドショットで窓が左にあるのに、クローズアップでは右から光が当たっていると連続性が崩れる。光源の配置図を作り、すべてのセットアップで守る。
- 02
質感を出しすぎる
斜めの光は毛穴やシミまで見せてしまう。優しく若く見せたい人物には、光源を柔らかくするか、やや正面寄りに動かす。
- 03
背景まで同じように照らしてしまう
サイドのキーライトが背後の壁まで照らすと、奥行きが消える。漏れ光を遮り、背景が被写体より暗く保たれるようにする。






