結論から言うと: 売れるログラインは、際立った特徴を一つ持つ主人公、目標、障害、賭け金を、あなたの映画にしか当てはまらないほど具体的な一、二文で示します。フックが鋭くなるなら皮肉やひねりを加え、「本当に大切なことに気づく」のようなあいまいな言い回しは削り、声に出して読んでみてください。息が続かなければ長すぎます。ピッチに関するガイドはすべて脚本家のキャリア総合ガイドにまとめています。
ある開発担当プロデューサーの机に、脚本が六十本積まれている。最初のログラインを読む。「ある男が自分の過去と向き合わなければならない」。脇に置く。次。「ある女が、何ひとつ見た目どおりではないと知る」。脇へ。次。「失脚したチェスコーチが、気まぐれな天才少年にすべてを賭けて全国大会優勝を狙う最後のチャンスをつかむ。だが少年は、盤の前にたどり着く前に二人とも破滅させかねない」。読み続ける。これが違いです。最初の二つはどんな映画にも当てはまります。三つ目は一本の映画です。主人公がいる。目標がある。代償がある。時限装置がある。売れます。
ログラインとは、企画書、ワンページャー、ピッチ資料に載る一、二文の要約です。脚本を読んでもらい、打ち合わせを取りつけ、企画を上に通すのはこの一文です。外せば平凡に聞こえ、決まれば自分が何を書いているか完全に分かっている書き手に見えます。このガイドでは、機能する公式を分解します。主人公、目標、障害、賭け金です。ログラインを際立たせる任意の要素を加え、読み手に脚本を脇に置かせてしまう落とし穴の避け方も紹介します。
ログラインは何のためにあるか
ログラインはキャッチコピーではありません。「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」はマーケティングです。ログラインは物語です。誰の物語か、その人物は何を望んでいるか、何が邪魔をしているか、失敗したら何が起きるか、に答えます。理想は英語で35語以内、日本語ならおおよそ100字前後です。五秒しかないときの「どんな脚本なの?」への答えであり、ワンページャーの背骨であり、ピッチ資料の二枚目のスライドでもあります。一度仕上げれば、どこでも使い回せます。
ログラインは脚本を説明するものではありません。映画を観る体験を売るものです。すべての言葉が、そこにいる理由を持たなければなりません。
基本の公式:主人公+目標+障害+賭け金
主人公。 中心人物(またはその類型)を示し、際立った特徴か状況を一つ与えます。「落ち目のボクサー」「一度も部屋を出たことのない十代のハッカー少女」「傾きかけた葬儀社を営むシングルファーザー」。一息で人物と状況が見えなければなりません。
目標。 何を望んでいるのか。「最後の一戦に勝たなければならない」「姉に罪を着せた人物を見つけたい」「店を立て直し、娘を学校に通わせ続けたい」。目標は具体的であるべきです。「自分を見つけたい」はあいまいです。「父が負けたのと同じ大会で勝ち、父に認められたい」は具体的です。
障害。 何が邪魔をしているのか。敵対者、制度、欠点、時間。「だが体は衰え、かつてのライバルが王者として待っている」「だが入り込む唯一の道は、命を落としかねない秘密のネットワークへの潜入だ」「だが大手チェーンが町じゅうの葬儀社を買い占め、娘は万引きを始めた」。障害が対立を生みます。障害がなければ、映画もありません。
賭け金。 失敗したら何が起きるのか。「負ければ娘の尊敬と、最後のやり直しの機会を失う」「見つかれば、姉と同じように消される」。賭け金は感情的なものでも、身体的なものでも、道徳的なものでもかまいませんが、重みがなければなりません。「さもないと悲しくなる」は弱い。「さもないと残された唯一の家族を失う」は強い。
これをつなげます。[主人公]が[目標]とき、[障害]。[賭け金]。 あるいは [障害]が[賭け金]をもたらす前に、[主人公]は[目標]しなければならない。 順番は変えてもかまいませんが、四つの要素はすべてそろえてください。一つでも欠けると、ログラインは平板か、ありきたりに感じられます。
よくある場面:インディーのドラマ
母を亡くして故郷に戻った女性が、疎遠になった妹と幼いころの秘密に向き合いながら実家を売らなければならない、という脚本を書いたとします。ログラインの初稿は「母の死後、ある女性が故郷に帰り、自分の過去と向き合う」。主人公とあいまいな目標はあります。障害がない。賭け金がない。プロデューサーは脇に置きます。
第二稿。「亡き母の家を売るため故郷に戻った女性は、疎遠の妹と、家族を永遠に引き裂きかねない長年の秘密に向き合わなければならない」。これで、主人公(故郷に戻る女性)、目標(家を売る)、障害(疎遠の妹、埋もれた秘密)、賭け金(家族の崩壊)がそろいました。まだ一文です。これは映画です。
よくある場面:ジャンルもの
ホラーの脚本があるとします。「友人グループが山小屋に行き、ひどいことが起きる」。これでは山小屋ものすべてに当てはまります。こうしてみましょう。「同窓会のために人里離れた山小屋を借りた五人の友人にとって、管理人の『決まり』だけが命綱だと分かる。そして一人はすでに、最初の決まりを破っている」。これでフック(決まり)、明確な状況、時限装置(すでに破られた決まり)がそろいました。障害は決まりと怪物、賭け金は生死です。同じジャンルで、具体的な一本の映画になりました。
ログラインを際立たせる任意の要素
ひねりや皮肉。 「一度も標的を外したことのない殺し屋が、唯一撃てない標的の殺害を依頼される。自分の娘だ」。皮肉が仕事をしています。「世界をウイルスから救えるのは、それを作った科学者だけだ」も同様です。
時間制限。 「選挙の前に」「夜明けまでに」「妹が強制送還される前に」。締め切りが切迫感を生みます。
はっきりした「だが」。 「だが」という言葉が転換を知らせます。「彼女は裁判に勝ちたい。だが唯一の証人は、彼女のキャリアを壊した男だ」。障害は「だが」の中に住んでいます。
能動的な動詞。 「向き合わなければならない」は「向き合いに行く」より強い。「救うために戦う」は「救おうとする」より強い。ログライン一本につき、強い動詞を一つか二つ。
キャラクター名は入れない。 たいてい不要です。「失脚した記者」のほうが「ジェイク・モリソン」よりいい。読み手はジェイクを知らないからです。名前はワンページャーかピッチの場に取っておきましょう。
初心者がやりがちな失敗(現場から)
あいまいすぎる。 「ある男が本当に大切なことに気づく」。どんな男?何が大切?物語は?直し方:具体的な主人公、具体的な目標、はっきりした障害を入れる。「仕事中毒のCEOは、ほかの節目をすべて逃したあとで、一世一代の取引をまとめるか、娘のたった一度のピアノ発表会に出るかを選ばなければならない」。
長すぎる。 三文になるとあらすじであって、ログラインではありません。英語で35語、日本語で100字前後を超えたら削りましょう。売り込みを変えない形容詞は消す。「才能はあるが悩み多き刑事」は「失脚した刑事」でいい。一つのアイデアに一つの節。
結末を明かす。 ログラインは映画の前提を示すもので、誰が勝つかを言うものではありません。「彼女はついに悪役を倒し、すべてを救う」はネタバレです。「彼女は悪役を倒さなければ、すべてを失う」はピッチです。
主人公が複数いる。 「刑事と犯罪者が手を組み、テロリストを止める」。誰の映画なのか。一人を選びましょう。「規則一筋の女性刑事が、町が燃える前にテロリストを止めるため、自分が刑務所に送った犯罪者と手を組まなければならない。残り時間は12時間」。刑事が主人公で、犯罪者は障害であり同盟相手です。
賭け金がない。 「シェフがレストランを開く」。だから?「ミシュランの星を失ったシェフが、ライバルの店がある街にレストランを開き、一年以内に星を取り戻さなければ、二度と料理ができなくなる」。これで気になります。
物語ではなくテーマを語る。 「悲しみについての映画です」。それはテーマです。ログラインに必要なのは筋です。「妻を亡くした男は、敵意をむき出しにする妻の十代の娘と一緒に、妻がやり残した『死ぬまでにやりたいことリスト』を完遂しなければ、遺産も和解の機会も失う」。テーマ(悲しみ、家族)は物語を通して伝わります。
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Start Freeビフォー・アフター:簡単な比較
| 弱い | 強い |
|---|---|
| 弁護士が正義のために戦う。 | 一度も負けたことのない国選弁護人は、有罪だと知っている依頼人を弁護し、しかも勝たなければならない。さもないと真犯人は野放しになり、彼女は職を失う。 |
| 違いを乗り越えて二人が恋に落ちる。 | 200組の完璧な結婚式を手がけてきたウェディングプランナーが、自分を捨てた元恋人と、その相手の女性との結婚式を二週間で準備しなければならない。 |
| 兵士が帰郷し、生活に適応しなければならない。 | 重いPTSDを抱える退役軍人は、家族が彼を入院させようとするなか、軍で身につけた技能だけを頼りに、行方不明の弟を24時間以内に見つけ出さなければならない。 |
強いほうには、誰が、何を望み、何が邪魔をし、何を失うのかがはっきりあります。そして具体的です。「弁護士」は「一度も負けたことのない国選弁護人」に、「二人」は「ウェディングプランナー」と「元恋人の結婚式」になります。具体性が売れるのです。
ログラインの試し方
声に出して読みましょう。息が続かなければ長すぎます。友人に「で、どうなるの?」と聞かれたら、賭け金か障害が欠けています。五本の違う映画に当てはまるなら、あいまいすぎます。あとで説明が必要なら、説明が必要な部分を削り、その説明をログラインに入れてください。
実際に使ってみましょう。売り込みのメールに入れる。ワンページャーの一枚目に載せる。脚本を読ませてほしいと言われたら、ログラインが役目を果たしています。読まずに断られるなら、ログライン(またはコンセプト)が届いていません。書き直しましょう。
日本の現場とログライン
日本ではログラインという言葉より、「企画意図」や「あらすじ」の冒頭に置く一行が同じ役目を果たすことが多く、テレビ局の企画書やシナリオコンクールの応募用紙にも、短い作品概要の欄があります。字数制限がある場合も多いので、一行版と二、三行版を用意しておきましょう。配信プラットフォームや海外との共同制作を狙うなら、英語のログラインも準備しておくと、同じ公式のまま相手に伝わります。
まとめ
ログラインはピッチの最小単位であり、最も重要な単位でもあります。主人公、目標、障害、賭け金。この四つを一、二文に収めれば、読み手に読み続ける理由を与えられます。ひねり、締め切り、鋭い「だが」を加えれば、覚えておく理由まで与えられます。チャンスは一度きりのつもりで書いてください。机の上の山の中では、本当に一度きりなのですから。
一つの企画をまるごと一ページにまとめる方法は、ワンページャーのガイドで詳しく解説しています。公式に沿った案をいくつも素早く書いて比べるなら Logline Workshop を使い、Story Stakes Calculator で結果の重みを検証しましょう。脚本の登録と保護に関する公式の情報としては、WGA West の脚本登録(英語、nofollow)が役立ちます。


FAQ
ログラインはどのくらいの長さにすべきですか?
一、二文で、英語なら35語以内、日本語ならおおよそ100字前後が目安です。声に出して息が続かなければ長すぎます。売り込みを変えない形容詞を削り、一つのアイデアに一つの節にしましょう。
ログラインとキャッチコピーの違いは何ですか?
キャッチコピーはマーケティングで、雰囲気を売ります。ログラインは物語を伝えます。主人公は誰か、何を望み、何が邪魔をし、失敗したら何を失うのかを示します。
ログラインに主人公の名前は入れるべきですか?
たいてい不要です。「失脚した記者」のような際立った特徴のほうが、読み手の知らない名前よりはるかに多くを伝えます。名前はワンページャーやピッチの場で使いましょう。
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