結論から言うと: 2話、完成尺38分、作ったのはひとり。第2話は1,852ドルと65時間かかりました。ボトルネックは生成ではありません。決めることでした。以下はすべて実際のパイプラインで、失敗した部分と、それを何に置き換えたかも含みます。
Lost Gardenは、世界が終わって20世紀後に目を覚ました空っぽの鎧たちを描くダークファンタジーです。第1話が17分、第2話が21分。スタジオなし、スタッフなし、外注なし。
AIのおかげで楽になった、とは言いません。楽にはなっていません。AIが取り除いたのは「待ち時間」です。この種の企画は「まず予算を見つけないと」の段階で死に、半年経てば気持ちは別のところへ行っている。絵を描ける人が見つからなくて死んだことは一度もありません。絵を描ける人はどこにでもいるし、どのモデルより上手です。
まず完成品を見てください
以下はすべて工程の話です。まずその工程が生んだものを見て、読む価値があるか判断してください。
第1話 The Awakening of the Lantern Knight(17分):youtu.be/eZ_JlaLDJ-8
第2話 The King Beneath the Vault(21分):youtu.be/z-YRrutXaFE
どちらもlostgarden.worldにプレスキットと一緒に置いてあります。

これらは本編からそのまま切り出した完成カットで、レタッチはしていません。この先のスクリーンショットはすべてこれらの裏側にある仕組みなので、頭の片隅に置いて読んでください。
すべてを決めた、たったひとつのルール
2〜3秒ごとにカットを割る。
AI映像はカットが長くなると崩れます。手が流れ、顔が滑り、背景が呼吸を始める。どのモデルでも起きますし、劣化は直線的ではありません。2秒なら持ち、4秒で緩み、8秒では使い物になりません。
だからカットを長く回さないことにしました。演出上の選択ではなく、生存戦略としてです。第2話は21分で約400カットあります。
そこで予想していなかったことが起きました。制約がスタイルになったのです。アニメはもともとカットが速い。2秒保って鋭く切ると、苦肉の策ではなく意図した演出として読まれる。仕方なくやったことが、いちばん褒められる部分になりました。
1フレームも生成する前に、これを自分の工程に書き込んでください。カット数が変わり、カット数が変わればボードが変わり、ボードが変われば脚本が変わるからです。
工程1:脚本とボードは同じ書類でなければならない
この種の制作で最大の時間泥棒は、生成ではありません。往復です。
あるツールで書く。別のツールでボードを作る。1行直せばボードが古くなり、2日は気づかない。1カット直せば、脚本がもう起きていることを描写していない。
ScreenWeaverは脚本を縦に、カット列を横に、同じ画面で同期させて並べます。1行変えればカットがついてくる。2話を通して、ボードを作るために脚本を書き出したことは一度もありません。

そして同じシーンの完成映像がこれです:

このスクリーンショットは第2話のシーン5です。左にそのシーンに出るエンティティ。中央に選択中のカットと、そのサイズ、カメラワーク、意図の1行。右に脚本そのもの。下にシーン内の全カットと、現在位置を示す再生ヘッド。
重要なのは、この4つのパネルが互いにズレようがないことです。書類がひとつしかないからです。
すでに脚本があるなら、打ち直す必要はありません。第2話はFinal Draftのファイルとして読み込まれ、214要素、7人のキャラクター、6つの場所に分解された状態で出てきました。

読み込み時に抽出されたキャラクターと場所が、これから記述することになるエンティティになります。多くの人が手作業で始めて途中でやめてしまう工程です。
工程2:キャラクター設定は、1つの資料では絶対に足りない
ここが皆が飛ばす工程で、AI映画の大半が「きれいだが無関係な画像のフォルダ」に見える原因です。
第1話で失敗し、第2話でやり直した工程でもあります。Lost Gardenのキャラクターはいま全員、3つの別々の資料を持っています。この3つは役割が違い、統合できません。
- モデルシート。 どの角度から見てどう見えるか。
- 固定説明文。 画像モデルが実際に読む段落。
- 演技資料。 どう動き、どう喋り、どう反応し、そして何を絶対にしないか。
1つ目を飛ばせばキャラクターがブレる。2つ目を飛ばせば毎カットが交渉になる。3つ目を飛ばすと、これはほぼ全員が飛ばすのですが、見た目は完璧なのにシーンごとに別人のように振る舞います。
モデルシート

三面、白背景、ベタ塗り、劇的なライティングなし、背景なし、ポーズなし。
この選択はすべて意図的で、すべて「やりたくなること」の逆です。
一面ではなく三面。 正面、側面、背面。助けてくれるのは背面図です。肩越しのカットが必要になって初めて、マントの裏をどうするか一度も決めていなかったと気づくからです。
白背景、ライティングなし。 モデルシートは仕様書であって絵ではありません。劇的に照らした瞬間、モデルはそのライティングを参照先のすべてのカットに複製し始めます。欲しいのは物体であって、雰囲気ではありません。
アクションポーズ禁止。 ニュートラルに立っているキャラクターは「これがこの人物です」と読まれます。跳躍中のキャラクターは「これをもう一度やれ」と読まれ、永遠にその跳躍のバリエーションが返ってきます。

小物こそシートに描く。最初にブレるのは小物だから
ブルドンのシートを見てください。鐘を鋳る石の巨人で、背中には三つの鐘を吊した屋根つきの構造、腰には金槌と火挟み、そして小さな真鍮のティーポットが描かれています。

このティーポットは彼の役割と何の関係もありません。そこにあるのは、彼が何者かを1つの物で語るからであり、そして小物が最初にブレるからです。キャラクターのシルエットは30カット持ちます。小物は4カット目で変異します。金槌が斧になり、火挟みがペンチになり、ティーポットは消えます。
シートに描き、説明文に名前を書く。そうすれば戻ってきます。
シート上部の頭部詳細図にも注目してください。ブルドンは何度も寄りのカットで映りますが、全身のターンアラウンドはその縮尺での顔の情報を十分に持ちません。本編に寄りのカットがあるキャラクターには、頭部の習作が要ります。
小さくなっても生き残るシルエットを設計する

バリックは脚の生えた樽です。高さ40ピクセルでも、間違いなくバリックだと分かります。
これはデザインについての冗談ではなく、デザインそのものです。2秒ごとに切って極端な引きを多用するシリーズでは、寄りでしか判別できないキャラクターは配置できないキャラクターです。
私が使うテスト:モデルシートをサムネイル帯の高さまで縮める。誰か分からなければ、シルエットは未完成です。セリュールは鍵穴のついた細長い縦線。ランタンは上に環のついた小さな塊。ブルドンは屋根を載せた山。どのサイズでも取り違えようがありません。
バリックはシリーズで最も厳しいルールも背負っています。シートの冒頭に大文字で書かれています。彼には頭も兜もない。 上には何も載りません。樽が頭であり同時に胴体であり、目は殻に開いた2つの穴にすぎません。ドームも帽子もなし、そして何より、ランタン兜は絶対に載せない。あれはランタン騎士だけのものです。この1行を書いておかないと、生成は必ず彼に頭を載せようとします。顔のついた樽は学習データになく、騎士はあるからです。
固定説明文は、モデルシートを言葉にしたものではない
2つ目の資料は1段落で、画像モデルが読むのはこれです。ブルドンのものを無編集で:
門楼ほどの大きさの石の巨人。盲いたように白い目、生きた炎でできた髭、笑うと光る亀裂。もう応えることのない王国のために鐘を鋳ている。まず笑い、声に出して考え、ゆっくり決める。
この段落には、見た目以上に重要な点が2つあります。
測定可能な事実が入っている。 「門楼ほどの大きさ」は画面で検証できる制約です。「笑うと光る亀裂」もそうで、これは条件つきです。常時光るのではなく、笑ったときに光る。キャラクターを静止画ではなく生きた存在にしておく種類の文章です。
最後の一文は見た目の話ではない。 「まず笑い、声に出して考え、ゆっくり決める」は画像モデルにはほぼ無意味で、そしてこの段落でいちばん価値があります。20分のエピソードを通して彼のセリフを一貫させているのはこの一文だからです。
演技資料、誰も書かない資料
3つ目の資料が決定的な差を生みました。これはモデル向けではなく、私自身と声の演出のために書かれています。
私のものは境界線を引く1行から始まります。演技資料であって、デザイン資料ではない。 正確なデザインはモデルシートに残る。この書類が答えるのは別の問いで、それは「このキャラクターらしく聞こえるセリフをどう書くか」です。
セリュールのものに実際に書かれていること、その一部:
身長は比率であって数値ではない。 設定が固定しているのは1つだけ、セリュールはランタン騎士より頭半分だけ高い。それ以上ではない。資料はメートル値を「提案、要承認」と明記して書いています。メートル値は推測で、比率は事実だからです。2年間信頼することになる書類の中で、推測と事実を同じ調子で書いてはいけません。
身体の語彙。 ランタンに対して、彼は具体的で反復可能な形で身体的です。胸当てを二度叩く、ランタン兜を指で弾く、肩に手を置く、どこを見るべきか示すために兜を手で回す。これは再利用可能な仕草のリストです。エピソードごとに身体言語が変わってしまうのを防ぎます。
話す速さ。 温かく、中低音で、少しかすれた声。1秒におよそ2語、本物の間を入れて。そして実際に演技を指示するのはこの一文です。早く終わりすぎるセリフは正しく、走るセリフは間違っている。
書き癖。 この書類でいちばん役に立つのがこれです。セリュールは安心させ、その3秒後に、小声で、振り返らずに、自分の安心を自分で崩します。「俺は間違えない……たぶん」「ただの悪魔だ、まずければ俺がなんとかする……たぶんな」。この癖を書き出しておけば、誰でも彼らしいセリフが書けます。午前2時の私も含めて。
希少な合図、保護されている。 セリュールが冗談をやめて声が平坦に落ちるとき、本当にまずい事態です。資料ははっきり書いています。この対比はシリーズ最良の劇的な道具であり、希少なままである限りしか機能しない、と。この一文のおかげで3回使わずに済みました。
演技資料でいちばん価値があるのは「絶対にしないこと」の一覧
私の資料はすべて「絶対にしないこと」の節で終わり、いちばん参照するのがそこです。
セリュールは威圧するために怒鳴らない。演説をしない。王や英雄を演じない。つまずかない、足を取られない、背景に驚かされない。社会的に脅されたとき、鋼ではなく石のような微笑と静かな言葉で返す。
ランタン騎士の一覧はもっと厳しい。彼のほうが難しいキャラクターだからです。
- 一言も喋らない。 一度も、囁きさえも。発するのは空洞の金属音だけです。柔らかい軋み、呼吸のように聞こえる共鳴、カチャカチャという音、遠慮がちな小さな打音、問いかけるような擦過音、そして怖がったときの激しい衝突音。
- 絶対につまずかない。 滑らない、転ばない、背景にぶつからない。彼の可笑しみは好奇心から来るもので、不器用さからは決して来ない。歩きも登りも落ち着いている。
- 自分では光を出さない。 そしてメダイヨンは決して画面に映らない。
2つ目のルールがいちばん守るのが大変でした。大きくて危険な世界にいる小さくて丸いキャラクターには、5分おきに転倒のチャンスが差し出されるからです。このルールがあるのは、つまずくキャラクターは憐れまれるキャラクターだからで、彼は勇敢なままでなければならないからです。資料は1行でこう書いています。危険を前に彼は進む、そして最初に逃げることは決してない。
もう一方については、第1話の終盤、負けかけていたランタン騎士を助けにセリュールが到着する場面が「つまずかない、足を取られない」の答えです:

その結果、彼の感情はすべて身体を通すしかありません。兜の傾き、姿勢、手の仕草、ためらい。そして兜の上の吊り環が速く動くと揺れる。パニックの震えを演じているのはこの環です。俳優の仕事をしている小道具であり、モデルシートに描いてあるからこそ機能します。
残りの配役

2回以上登場する全員に同じ扱いをします。敵役も、闘技場の戦いの相手である獣も含めて。1シーンだけの登場人物でも、そのシーンが3カットを超えるならシートを作ります。2秒刻みの編集では、それはほぼ全員という意味です。
説明文を一度書き、シートを一度作り、以後ずっと参照する。だから私の2人の騎士は380カット目でも本人のままなのです。
工程3:シーン自身にカット割りを提案させる
空のショットリストは、映画制作でいちばん進まないページです。
Generate shots from scene scriptは、すでに書いたシーンを読んでカット割りを提案します。採用するのは6割くらいで残りは書き直しますが、白紙よりはるかに速く、いつも忘れるカットを確実に拾ってくれます。

実際に仕事をしているのはリストの上の欄です。何かが提案される前に、自分の撮影方針を普通の言葉で書く場所です。第2話の闘技場の戦いで使ったのがこれです:
戦いのあいだ、ずっとセリュールと一緒に岩棚の上にいる。戦っている者の視点は一度も取らない。見ている二人の視点だけ。
この一文が9カットを決めました。そしてこれがシーンの劇的な発想そのものです。主題は戦いではなく、見知らぬ者が戦うのを見ている二人のほうだ、と。この一行がなければ、割り出されるのは無難なアクションシーンです。あれば、エピソードが必要としていたシーンになります。
カットではなく意図を書く。カットは後からついてきます。
まったく別のシーン、城への到着での同じ画面がこれです。10カット、別のエンティティ、別の意図。まずスケール、顔は後。

工程4:どのプロンプトにも構図の手法を名指しする
「cinematic」は何も生みません。AI映画のプロンプトで最も多い単語であり、何の情報も運びません。
代わりに手法を名指しします。ネガティブスペース。下からの明暗法。奥行きのある二人芝居の配置。被写体が画面高さの八分の一になる極端な引き。

Lost Gardenの各カットは3つのフィールドを持ち、3つともプロンプトに入ります。
- ショットサイズ。 極端な引き、引き、やや引きの中景、中景、やや寄りの中景、寄り、極端な寄り、インサート、肩越し、主観。
- カメラワーク。 固定、ゆっくり寄る、ゆっくり横移動、流し撮り、手持ち。
- アクション行。 唯一の自由記述で、エンティティをハンドルで参照します。
400カットのエピソードの一貫性を支えているのが、この最後の部分です。カット3.1のアクション行はこうです:
@serrure と @lantern-knight が岩棚に伏せ、穴の底を見下ろしている。刃が応えるまで引きを保つ。
@のハンドルはモデルシートに解決されます。2文目はタイミングについての自分宛のメモで、どのモデルも読みませんが、編集でこのカットを救いました。
工程5:リロールの経済学
生成は安い。リロールも安い。編集の段階で「シーンがそもそも存在しなかった」と気づくことが高くつきます。
AI映画制作で高くつく失敗は、悪い生成ではありません。1週間美しく生成し続けた末に、シーケンスではなくムードボードを手にしていたと気づくことです。それは、モデルを開くずっと前に決まっています。
具体的に、第2話では:
- 採用カットが約400。
- 採用1カットあたり約2.4生成、つまり1000生成弱。
- 生成費が1,852ドルの最大項目。
見るべき数字は比率です。使える1カットのために6回も8回もリロールしているなら、問題はまずモデルではありません。プロンプトが手法を名指ししていないか、カットがモデルシートを指していないか、そもそもそのカットが存在すべきでないかです。
工程6:映像は無音で作り、あとから声を乗せる
これがいちばん強く擁護する決定で、そして偶然から始まりました。
私の主役たちは空っぽの鎧です。口がありません。合わせるべきリップシンクが、そもそも存在しません。
つまり映像とセリフが完全に切り離せる。無音で画を作り、エピソードを編集し、固まった画に対して声を当てる。シーンが成立しているか確かめるのに音を待つ必要がない。セリフを書き直したせいで口が合わなくなり、カットを作り直すこともない。
AIシリーズをゼロから設計するなら、キャラクターを描く前にこの点を真剣に考えてください。兜、仮面、怪物、動物、口が見えないものは何であれ、莫大な制作上の自由を買ってくれます。Lost Gardenで最良の構造的判断であり、私は意図してやったわけではありません。
音声タグについて痛い目を見て学んだこと
両エピソードともElevenLabs v3を使っています。恥ずかしいほどテイクを重ねて分かったことが4つあります。
タグの効果は減衰する。 スタイルタグは段落を通して持ちません。1〜2文で薄れます。12行にわたって重い調子を保ちたいなら、タグは冒頭に1回ではなく毎文に付けます。
イベントタグは再生される。 [laughs]、[sighs]、[chuckles] は出現のたびに音を鳴らします。スタイルタグと同じ感覚で繰り返すと、11回連続で笑うキャラクターができあがります。
意図しない叫び声の原因は4つある。 ここがいちばん時間を食ったので、全部書きます。
- 命令形のように始まる文は、命令形として演じられます。「Open, in the dark, it's a candle on a table」は叫びになりました。「To them, an open medallion in the dark is a candle on a table」と書き直したら落ち着いて出ました。情報は同じ、アタックが違う。
- 間の直前に置かれた語は叩かれます。強調したい語は文の中ほどへ動かす。
- 1〜3語の断片はほぼ毎回叫ばれます。三点リーダと小文字で続けて、前の文に融合させる。
- 短文が連続すると段階的に上がります。「A fire. A meal. News from the road.」は3段階のアタックになりました。三点リーダで1文にまとめたら、望んでいた郷愁のこもった言い回しになりました。
速度を制御するのはタグではなく間です。 <break time="2.5s" /> はどんな形容詞よりも演技に効きます。ElevenLabsは1つの間を3秒で頭打ちにするので、長く保ちたければ繋げます。そしてテンポの本当のつまみはスピードのスライダーです。よく喋る騎士は0.8、ヴォルトの王は0.7。
両エピソードの音声ファイルはすべて、タグと間をつけたまま、キャラクターごとに1ファイルで保管しています。録り直しが再発見ではなくコピー&ペーストで済むように。
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Start Free1行のセリフを、最初から最後まで
ここまでの話は、1つの例を通して追うほうが腑に落ちます。第2話のセリフを1つ、設定資料から完成カットまで追いかけます。
1. 演技資料が「これはどういう種類のセリフか」を決める
セリュールの資料には、彼は声に出して考える、答えを知っている質問をする、早く終わりすぎるセリフが正しい、と書いてあります。そして冗談をやめて平坦に落ちる瞬間が希少な合図だ、とも。
まさにその瞬間です。彼は穴の底で何かを聞いたところ。だからセリフは短く、誰かに向けて言う前に自分に向けて言う確認でなければなりません。
2. 脚本
EXT. THE ARENA - CONTINUOUS A voice comes up out of the pit. SERRURE stops dead. SERRURE (startled, hushed) ...That's an armor voice. SERRURE (shouting with joy) It's one of ours! Quick, Lanterne, come on!
4語がエピソード全体の主題を背負っています。彼らは長いあいだ同族に出会っていない。ト書きは飾りではなく、4工程先の音声収録への演出指示です。
3. 撮影方針、まだ1カットも存在しない段階で
戦いのあいだ、ずっとセリュールと一緒に岩棚の上にいる。戦っている者の視点は一度も取らない。見ている二人の視点だけ。
4. カット
カット3.1。引き、固定、ローアングル。アクション行:
@serrure と @lantern-knight が岩棚に伏せ、穴の底を見下ろしている。刃が応えるまで引きを保つ。
@のハンドルはモデルシートに解決されます。「刃が応えるまで引きを保つ」はどのモデルも読まないタイミングのメモで、編集での切り所を決めました。
5. 音声、タグつき
ElevenLabsに実際に送ったテキスト、無編集:
[calmly] ...You hear that? <break time="1.5s" /> [amazed] That's an armor voice. <break time="2.0s" /> [shouting] [excited] It's one of ours! <break time="0.8s" /> [shouting] [excited] Quick, Lanterne... come on! <break time="2.0s" />
5行の中に4つの要素があり、そのどれもがこの記事の上のほうで出てきたルールです。
「...You hear that?」冒頭の三点リーダがアタックを止めます。これがないとセリフが大声で始まり、間の効果が丸ごと消えます。
2文目でタグを繰り返している。 [amazed] は [calmly] を継承しませんし、そもそも [calmly] は2文目まで持ちません。タグの効果は減衰する。
「Quick, Lanterne... come on!」は2文ではなく1文。 短い断片2つだと、上がっていく叫びが2回出ました。三点リーダで繋ぐと、ひとつの衝動として読めます。
明かしの前後に置いた2秒の間が、どんな形容詞よりも仕事をしています。沈黙が演技です。
6. 結果と、そこから作り直したボード

左上がカット3.1です。2人の騎士が岩棚に伏せ、見下ろし、引きで保たれている。ボードと本編で同じ画面構成です。ボードのほうが本編から作られているからです。
これが1カットの中のパイプライン全体です。振る舞いのルールがセリフを生み、セリフがト書きを生み、ト書きが音声演出を生み、撮影方針が画面構成を生み、画面構成がカットを生み、カットがボードを生みました。
工程7:映像モデルに音楽を書かせてはいけない
Lost Gardenの映像プロンプトには、例外なく no music の指示が入っています。
クリップごとに音楽を生成させると、39クリップが39本の別の映画のように鳴ります。ミックスでは直せません。クロスフェードすらできません。
劇伴は別作業として、固まった画に対して、ひとつのまとまった仕事として作ります。
そのパスから6曲のオリジナル曲が生まれました。編集を固めたあと、画に合わせて書いたものです。
| 仮タイトル | 長さ | どこに置くか |
|---|---|---|
| Inexorable Ascent | 5:00 | 長い登り、世界の規模 |
| Song of the Empty Sky | 5:00 | 開けた道行き、いまの世界 |
| Clockwork Requiem | 3:30 | 機械、まだ動いているもの |
| The Giant and the Knight | 3:30 | 鐘の鋳造所、ブルドン |
| Ash Lantern Prayer | 3:18 | 静かな見張りの時間 |
| The Knight's Lullaby | 2:30 | 子守唄の主題、両エピソードで再現 |
リリース時には改題しました。小さなことですが言う価値があります。仮タイトルは曲がエピソードのどこに置かれるかを伝え、リリースタイトルは音楽配信で単体の曲として成立しなければならない。これは別の仕事であり、別の名前に値します。
道具よりも順番が重要です。先に編集、後から劇伴。映画は1世紀そうしてきましたし、AIは音声ボタンがすぐそこにあるせいでその順番を捨てさせようとしてきます。
工程8:編集と、唯一重要なエンコード設定
編集はDaVinci Resolveの無料版です。この予算行はゼロです。
丸ごと1回のレンダーを無駄にして学んだ技術メモがひとつ。長尺のマスターを読ませてffmpegがCPU使用率ゼロのまま何もしないように見えるとき、固まっているのではなく、ファイルを解析しようとしています。余裕を与えてください:
ffmpeg -probesize 20M -analyzeduration 10M -i master.mov ...
そして書き出し時の -x264-params no-fast-pskip=1 は数パーセントのビットレートを払う価値があります。これがないと、広く平坦な暗部、つまりこのシリーズのほとんどが、フリーズしたように見えるブロックノイズを起こします。
工程9:字幕と、モデルの幻覚を捕まえる小技
両エピソードとも英語とフランス語の字幕があり、縦位置版では焼き込んでいます。
文字起こしはWhisper large-v3-turboを単語単位のタイムスタンプ付きで使っています。字幕が「その近く」ではなく「その語」に乗るのはこれのおかげです。長い音楽パートがある作品では、幻覚対策のフラグが効きます:
--word-timestamps True --condition-on-previous-text False \ --no-speech-threshold 0.45 --logprob-threshold -0.8 \ --hallucination-silence-threshold 1.5
それでも第1話では、器楽パートに「I'm sorry」という幽霊の行が6つ出ました。
無料で捕まえる方法があります。 疑わしい箇所だけを切り出し、単体で再度文字起こしします。本物の発話は毎回同じに起こされます。幻覚は違います。通しで「I'm sorry」になった同じ8秒の音楽が、単体では「I'm not going to die」になりました。パス間の不一致が幻覚の署名です。この検査ひとつで幽霊の行はすべて消え、本物はすべて残りました。18秒地点で囁かれる「Find me」も含めて。これがなければノイズとして消していたはずです。
当たり前ではないので、あと2つ。
字幕は回転の前に焼く。絶対に後ではない。 横位置のマスターを回して縦位置版を作るなら、先に横位置の画に字幕を焼き込みます。後から回せば文字が横倒しになります。
文字を置く前にレターボックスを測る。 私のマスターは1920×1080で、有効画面は1920×820。上下に130ピクセルの黒帯があります。字幕をこの帯に置けば、絵に一度もかぶりません。黒の上では半透明のボックスをやめて細い縁取りにします。黒地ではボックスは見えず、見える場所では安っぽく見えるからです。
工程10:誰も撮らない部分、配信
21分のアニメはTikTokではありません。本編はYouTubeへ。縦位置版は9:16に回して字幕を焼き込み、TikTokとInstagramへ。
編集のやり直しを丸ごと回避してくれた実務的な発見がひとつ。Instagramでは動画の投稿が60分まで許されるのに対し、リールは3分までです。本編は投稿として上げます。それを知る前に99秒の抜粋をリールとして切ってあり、いまは使わずに済んだ保険として下書きに眠っています。
おまけの工程:完成した映画から、あとでボードを作る
自分のための作業として始まり、プロジェクトで最も役に立つ資産になった部分です。
両エピソードは完成しています。ボードはもう残っていません。ボードが映画そのものになったからです。そこで第3話を売り込むため、そして工程を説明するために、完成したエピソードからボードを作り直しました。
描いたのではありません。10秒ごとに1フレームを取り出し、それぞれを3Dプリビズのブロックアウトに変換したのです。
素材はこんなふうに見えます。10秒ごとに1枚、タイムコードで命名してあるので、どのカットにもワンクリックで辿り着けます:


これが鍛冶場のシーンです。テクスチャのない灰色の粘土、ローポリの背景、顔のないマネキン、そして炎だけが単一のオレンジのベタで示されています。プリビズとはそういうものだからです。全部灰色、そのカットが何の話かを示すものだけに1色。
闘技場の戦いはシアンを使い、刃だけを示します。カットからカットへ、目が武器を追えるように。

城への到着では再びオレンジを使い、今度はすべての炎と光る目を示します。何よりも先に、光がどこにあるかを読めるように。

レシピの全文
画像から画像へ、完成カットを参照に、アスペクト比は元の形式に固定。1フレームあたり約1クレジット。
Convert this frame into a raw 3D previsualization blockout render. Keep the EXACT same camera angle, framing, composition and silhouettes as the reference. Everything untextured matte grey clay, one single material, no line art, no anime shading, no colour. Characters become smooth grey mannequins: keep the silhouette and overall head shape readable, but no facial features, no ornament, no fabric detail. Environment becomes simplified low-poly grey primitive geometry, blocky, almost no detail. Soft neutral studio light, plain light grey background, soft ambient occlusion. ONE EXCEPTION: <the key element> is a single flat saturated <colour>, unshaded, like a previz colour tag. Everything else stays pure grey clay.
結果を左右しているのは2つのフレーズです。
「Keep the EXACT same camera angle, framing, composition」。 これがないとモデルが構図を組み直し、ボードがあなたの映画を描写しなくなります。
「No facial features, no eyes, no mouth」。 これがないと目を描き直し、プリビズではなく灰色のアニメが返ってきます。
1フレーム分の代償を払って学んだ注意点がひとつ。顔の大きな寄りでは、2つ目の指示が文字通りに取られ、頭が滑らかで判別不能な塊になります。そのカットでは代わりに、テクスチャも細部もなしで、全体の形と眼窩が読めるように指定してください。
完成した映画でこれをやる価値

フィルタではできないからです。先にフィルタを試しました。正直な結果を書いておく価値があります。線画を消し、ディテールを消し、そのうえで画像を自身の広域トレンドで割ることでアルベドそのものを取り除き、黒い胸当てと白い袖が同じ灰色に落ちる処理を書きました。説得力のある粘土調のウォッシュにはなります。しかしプリビズではありません。どんなフィルタも、描かれた顔を消すことも、形状を作り直すこともできないからです。樹の精霊の目は、ぼけたアニメの目のまま残りました。
再生成は形を作り直します。それが唯一にして全部の違いであり、上の比較が成立する理由です。同じ画面構成、同じシルエット、違う媒体。
完成した1話を武器にシーズンを売り込むなら、これは売り込みに使えるボードと、そのカットが「見つかった」のではなく「設計された」ことを証明するビフォーアフターを同時にくれます。
費用と、時間の行き先
第2話で 1,852ドルと65時間。65時間は、完成尺21分に対しておよそ8営業日です。
最大の費目は生成クレジット。次に声と音楽。編集ソフトは無料。費用は実在しますが、面白い数字ではありません。
面白い数字は、決めることと生成することの比率です。ボードに費やした1時間ごとに、要らないカットを生成する時間がおよそ5時間減りました。この種の制作の経済はそれがすべてで、だから上のパイプラインは生成器ではなく脚本と設定資料から始まるのです。
やり直すなら変えること
エンティティの説明文を、10カット目の後ではなく最初のカットの前に書く。 第1話で一貫性の代償を払い、第2話で正しくやりました。
カットの長さをショットリストより先に決める。 1カット2〜3秒はポストの判断ではありません。カット数が倍になるので、カット割りの段階に属します。
主要キャラクターの少なくとも1人は口なしで設計する。 どんな物語であっても。それが買ってくれる制作上の自由は、制約と釣り合いません。
完成したらボードを残す。 私は完成品から作り直す羽目になりました。うまくいったし、元のボードより良い売り込み資料になりましたが、それは方法ではなく幸運です。
次に読むもの
このケーススタディではなく一般的なパイプラインが知りたいなら、脚本から画面までのAI映像制作ワークフローから。実際に作られるところを見たいなら、AI映画の作り方が実演です。ボード作成の工程だけを知りたいなら、AIで脚本からストーリーボードを生成する方法が正面から扱っています。
そして全体からひとつだけ持ち帰るなら。ボトルネックは道具ではありません。決めることです。
両エピソードとも無料で観られます。第1話、第2話、その他すべてはlostgarden.worldに。第3話はいまScreenWeaverで執筆中で、背負っているのは樽のバリックです。
Final Step
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