脚本の2つの稿を比較する
ブラウザで動く無料のシーン単位の差分
下に脚本の2つの稿を貼れば、シーン単位の変更報告が出ます。どのシーンが追加され、どれが削除され、書き直したシーンの中でどの行が変わったのかが正確に分かります。Final Draft の ScriptCompare をライセンス料なしで使いたい脚本家、スクリプトコーディネーター、プロデューサーのために作りました。
汎用の差分ツールは脚本をソースコードのように扱うので、折り返しの変わったト書きの段落や、12ページ目から40ページ目に移したシーンが、削除と挿入の壁として出てきます。このツールはまず両方の稿をシーン見出しでシーンに分け、見出しで、次に内容の近さでシーンを対応づけ、そのうえで行ごとに差分を取ります。移動したシーンはひとつのシーンのままで、報告は改稿ページの通知と同じように読めます。追加、削除、変更です。
すべてブラウザ内で動きます。貼り付けたり読み込んだりした稿が、アップロードされたり保存されたり、サーバーに送られたりすることはありません。
上に両方の稿を貼るか、.fountain か .txt を読み込むと、変更の報告が出ます。
改稿の色
脚本が制作に入ると、改稿のたびに違う色の紙で配られるので、どの部署もそのページがどの稿のものかをひと目で見分けられます。順番は米国の映画とテレビで標準化されていて、だからコーディネーターが「いまブルー」と言えば、撮影稿から1回改稿が入ったのだと全員に伝わります。
標準的な改稿の色の順は、White(撮影稿)から始まり、Blue、Pink、Yellow、Green、Goldenrod、Buff、Salmon、Cherry と続きます。Cherry を超えて改稿する制作は、頭に 2nd をつけて周回を始めます。2nd Blue、2nd Pink という具合です。連続もののテレビはこの一巡を速く使い切りますし、書き直しの多い長編でも起こり得ます。
- 1. White(撮影稿)
- 2. Blue
- 3. Pink
- 4. Yellow
- 5. Green
- 6. Goldenrod
- 7. Buff
- 8. Salmon
- 9. Cherry
- 10. 2nd Blue
Cherry のあとは頭に 2nd をつけて(2nd Blue、2nd Pink、2nd Yellow)同じ順番で続き、制作が改稿を重ねるかぎり繰り返されます。
右余白の改稿アスタリスク
前の色の稿から変わったすべての行には、改稿ページの右余白にアスタリスクがつきます。スタッフはページを読み直すかわりにアスタリスクを探します。衣装は衣装のメモが動いたかを確かめ、チーフ助監督はシーンが長くなったかを確かめます。上の変更の報告は、同じ合図をデジタルで渡します。余白のアスタリスクのかわりに + と - の行の印がつくので、色つきの配布に添える改稿ページの通知が書きやすくなります。
ロックしたページと A ページ
脚本がロックされると、日程、分解、香盤が正しい素材を指し続けられるように、ページ番号とシーン番号は動かなくなります。新しい素材は A ページとして差し込まれ(32 の次が 32A)、新しいシーンは A シーンになり(14 の次が 14A)、削除されたシーンは番号を保ったまま、シーン見出しの下に OMITTED の一語だけが残ります。このツールが削除されたシーンを黙って落とさずに報告するのは、この慣習に倣っているからです。制作の書類がカットを追う形をそのまま映しています。
仕組み
それぞれの稿をシーン見出し(INT.、EXT.、EST.、I/E. に加えて、行頭の点で始まる Fountain の強制見出し)でシーンに分けます。見出しが同一のシーンをまず対にし、残ったシーンは語彙の重なりから Dice の類似度で、0.4 を下限として対にします。だから名前を変えただけで中身が同じシーンも、相手と正しく並びます。対になったものは行単位で最長共通部分列の差分を取り、空白は詰めて比べるので、折り返しが変わっただけの行は書き直しとして数えられません。対にならなかったものは追加か削除として報告し、集計としてシーン数、増減した語数、脚本の変更率をまとめます。
Final Draft の ScriptCompare の無料の代わり
Final Draft の ScriptCompare はこの仕事をよくこなしますが、有料のライセンスの向こう側にあり、.fdx を前提にしています。Fountain、Highland、WriterDuet、あるいはプレーンテキストで書いているなら、この比較ツールは無料で、大事な部分を賄います。稿のあいだでシーン単位に何が変わったのかを教えてくれます。両方の版を貼り、報告を読み、注意点をまとめたメールにコピーする。それだけです。登録も、透かしも、試用期限もありません。
汎用の差分ツールや git のようなコードの差分は生の行を比べるので、脚本の本文の前では歯が立ちません。ワープロはト書きの段落を折り返し直すので、1語足しただけで40行が変更として印をつけられます。構成の組み替えでシーンを動かせば、行の差分は12ページ目の大量削除と40ページ目の大量挿入を見せます。シーンを意識した比較は、この2つの落とし穴の両方を避けます。だからこのツールでオンラインで稿を比べると、翻訳しなくてもそのまま打ち合わせで読み上げられる報告になります。
改稿の記録がいちばん効くのは、あなたのページに他の人が依存し始めたときです。プロデューサーは結末が動いたかを知りたがり、助監督は食堂のシーンが伸びたかを知りたがり、それを確かめるために110ページを読み直したい人は誰もいません。配布のたびに比較を走らせ、要約を送り状に貼り、下の改稿の色の順と組み合わせてください。スタジオ時代から現場が変更を追ってきたやり方と、書類がそろいます。
使いどころ
- プロデューサーとの打ち合わせ。 通話の前に古い稿と新しい稿を比べ、前の版から誰も読み直していないページを弁明するかわりに、変更されたシーンの一覧を追っていけます。
- 書き直しの点検。 構成を組み替えたあと、触るつもりだったシーンだけが本当に変わっていること、そして不用意な置換がどこかの台詞を静かに書き換えていないことを確かめられます。
- 版の考古学。 draft_final_v3 と draft_FINAL_final を直接比べて、どちらが本当に新しい素材を含んでいるかを見分けられます。
稿の比較: 完全ガイド
両方の稿をシーン見出しでシーンに分け、見出しで、次に内容の近さでシーンをそろえ、行単位の差分と変更の集計を出します。順を入れ替えたシーンや名前を変えたシーンも、大量の削除と読み違えられずに追われます。
この作業で中心にある問題ははっきりしています。汎用の差分ツールは脚本の前で歯が立たないので、書き手は Final Draft の ScriptCompare にお金を払うか、稿を丸ごと読み直して変更を探すことになる。放っておくと、後工程で摩擦が生まれ、判断が遅くなります。実務上の目標はシーン単位の変更報告(追加、削除、変更されたシーンと行の差分、そして集計)。そのまま直しのメールや送り状に貼れるです。
頭に置いておきたい限界: 比べるのは本文であって体裁ではありません。.fdx を直接読むことも、ページを組むことも、スタジオ式の色つきページや余白のアスタリスクを作ることもしません。ロックしたページの運用を置き換えるのではなく、補うものです。
進んだ使い方: スクリプトコーディネーターは配布のたびに比較を走らせ、集計の部分を改稿ページの通知に貼り、書き出した .txt の報告を、ファイル名の変更やメールの流れをまたいで残る変更の記録として保管します。
手順
- 左に前の稿、右に新しい稿を貼るか読み込みます(Fountain か普通の脚本の本文)。
- まず集計の帯を読みます。追加、削除、変更、変更なしのシーン数、増減した語数、そして脚本の変更率です。
- 変更されたシーンを開いて行の差分を確かめます。+ が追加された行、- が削除された行です。
- 報告をコピーするか .txt で書き出し、直しのメールや配布の送り状に添えてください。
立場別の使いどころ
- 書き手: 狙って直した稿をプロデューサーに返す前に、意図したシーンだけが変わっていることを確かめる。
- スクリプトコーディネーター: 各話を読み直さずに、色つきの配布のための改稿ページの要約を作る。
- プロデューサー: 前の版から実際にどのシーンが変わったかを見て、直しが反映されているかをひと目で確かめる。
避けたいよくある失敗
- 汎用の差分ツールで稿を比べること。折り返しの変わった段落や移動したシーンが、大規模な書き直しとして報告されます。
- 比較を飛ばして、何が変わったかの記憶に頼ること。矛盾した設定が現場まで届くのは、たいていこれが原因です。
- 書き直しの途中でシーン見出しの名前を変え、報告を確かめないこと。ひとつの場所の履歴が、メモの中で2つのシーンに割れることがあります。
実務でのコツ
- できるだけ稿のあいだでシーン見出しを変えないでください。見出しが一致すればすぐに対応づき、どの報告もきれいになります。
- 長い長編では一幕ずつ貼って比べてください。変更されたシーンの一覧が、通話で話せる長さに収まります。
- 稿のファイルの隣に .txt の報告を保存してください。フォルダそのものが、版のあいだの変更の記録になります。
このツールの出力は、書くことの代わりではなく、判断を支える層として扱ってください。優れた脚本が記憶に残るのは、具体的な選択、感情の精度、ドラマの動きの明快さによってです。ツールは雑音を取り除くことで力になります。あなたの労力が、人物、対立、高まり、報いといった大事なところへ向かうように。ひと巡りごとに結果を見直し、採用した変更を明示的に記録しておけば、作業は稿を重ねるごとに速く、読みやすくなります。その一貫性こそ、プロの共同制作者が価値を置くものです。驚きが少なく、理由がはっきりしていて、意図をもって育っていく脚本です。
さらに詳しい質問
何もインストールせずに、オンラインで稿を比べられますか。
できます。これはすべてブラウザ内で動くウェブページです。2つの稿を貼るか .fountain や .txt を読み込めば、シーン単位の比較がすぐに描かれます。インストールも登録もアップロードもありません。
シーン見出しの名前を変えた場合、対応づけはどうなりますか。
見出しが同一のシーンがまず対になります。残りは Dice の類似度で語彙の重なりを見て、0.4 を境に対になります。だから INT. DINER - DAY を INT. ROADSIDE DINER - DAY に変えても、中身が近ければ対応づき、変更として、元の見出しを添えて表示されます。
標準的な改稿の色の順は何ですか。
White(撮影稿)から始まり、Blue、Pink、Yellow、Green、Goldenrod、Buff、Salmon、Cherry です。Cherry のあとは 2nd Blue、2nd Pink と周回します。ページ上の切り替えで、どの色から始めても次の色が分かります。
脚本の右余白にあるアスタリスクは何を意味しますか。
改稿のアスタリスクは、前の色の稿から変わった行を示します。各部署は改稿ページを読み直すかわりにアスタリスクを探します。このツールの行の差分にある + と - の印は、その紙の上の仕組みに対応するものです。
ロックしたページで 32A のような番号を使うのはなぜですか。
脚本がロックされると、日程と香盤が正しいままでいられるように、ページ番号とシーン番号が固定されます。新しい素材は A ページとして差し込まれ(32 の次が 32A)、削除されたシーンは番号を保ったまま OMITTED と記されるので、後工程の書類が番号を振り直す必要がありません。
稿のあいだで、どれくらい変わるのが普通ですか。
正解の数字はありませんが、変更率の集計が目安になります。磨き込みのひと巡りなら10パーセント未満、直しを受けた書き直しなら20から40パーセントが多く、それを超えると、改稿を追っている人たちには全面的な書き直しとして読まれます。
よくある質問
左に前の稿、右に新しい稿を貼るか、.fountain か .txt を読み込んでください。追加、削除、変更されたシーンと、行ごとの差分を含む報告がすぐに出ます。無料で、登録も要らず、すべてブラウザ内で動きます。
そのままでは使えません。.fdx は XML の容れ物だからです。Final Draft で「ファイル」から「別名で保存」を選んでプレーンテキストに書き出すか、全選択して本文をこのツールに貼ってください。本文さえ入れば、比較は Fountain のファイルと同じように動きます。
空白を詰めたうえで行が異なる、対になったシーンです。シーンはまず見出しが同一のもので対になり、残りは Dice の類似度 0.4 以上で対になります。だからシーン見出しだけ変えて中身が同じ場合も対になり、削除1件と追加1件ではなく、変更として表示されます。
いいえ。両方の稿は、ブラウザのタブの中で動く JavaScript が解析し、比較します。読み込んだファイルは FileReader で手元から読まれ、あなたの端末を離れません。秘密保持契約の下で未発表の素材を比べるときには、これが重要です。
Green です。制作での完全な順は White、Blue、Pink、Yellow、Green、Goldenrod、Buff、Salmon、Cherry で、そのあと 2nd Blue から周回が始まります。上の改稿の色の欄にある切り替えで、どの色から始めても次の色が分かります。

新しい稿を、作品にする
ScreenWeaver は脚本を、シーンごとに AI で生成された映像に変えます。書き直しが固まったら、頭の中で想像するかわりに、立ち上がった姿を見てください。
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